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日本法人GNヒアリングジャパンは、3月3日の「耳の日」に合わせて、「難聴・補聴器利用に関するアンケート調査」を実施し、その結果を公表した。
同調査は、首都圏在住の若年層男女500名および、難聴を自覚している60歳以上のシニア層男女500名を対象に行われた。
■難聴を自覚したきっかけは「家族や友人との会話」が約7割
「聞き取りに不安を感じたことや、周囲から指摘されたことがあるか」という問いに対し、全体の83%が「ある」と回答。

そのうち、69%が「家族や友人との会話」で難聴を自覚したと回答し最多に。次いで、「騒がしい環境での会話」、「大人数での会話」が続いた。その他、「テレビの音が聞こえにくくなった」、「病院で名前を呼ばれた時」など、他者とのコミュニケーションを通じて難聴を自覚するシニアが多いことが分かった。

■シニアの補聴器所有率は約18%に対し、「将来補聴器をつけることに抵抗がない」若年層は83%
一般社団法人日本補聴器工業会の調査によると、難聴を感じている65歳以上のシニアの補聴器所有率は約18%(※)だった。

一方、将来聴力が低下した際に、補聴器を使うことに抵抗がないと回答した若年層は83%に上った。これは、聞こえに不安を感じているものの、様々な理由から補聴器を着けていないシニアと、補聴器に対してポジティブな印象を持つ若年層との間に意識のギャップがあることを示している。

■若年層が持つ補聴器のイメージとのギャップが発覚
補聴器に抵抗がない理由として、若年層の56%が「恥ずかしいことではないと思う」と回答。

補聴器を使用していないシニアの理由では「日常生活に支障がないから」が最多だった。また、「周囲の目が気になる」「補聴器の見た目が気に入らない」「年寄りに見られたくない」など、見た目に関する抵抗感も目立った。
一方で若年層は、「聞こえにくさを解決できるなら使いたい」「メガネと同じ感覚で自然に使うもの」といった前向きな声が多く、補聴器を“ありのままの自分らしく生活するためのツール”と捉え、使うことを当たり前と感じていることが分かった。

また補聴器を着けたシニアに対して、若年層の73%がポジティブに感じていることも明らかに。

さらに、シニアが感じている“見た目”に対するネガティブなイメージに対して、若年層の約93%が偏見やかっこ悪いと感じていないことも分かった。
若年層からは、「話しかける側としても、補聴器を使ってくれた方が助かる」「聞こえにくいなら補聴器を使った方が、お互いに気持ちよく会話できる」といったコメントが寄せられ、補聴器を使うことを肯定的に捉えていることがわかる。

■聴力を取り戻すことで生まれる変化とは「周囲との円滑なコミュニケーション」
全体の88%のシニアが、「聞こえに不安を感じていて、以前のようにスムーズなコミュニケーションがとりたい」と回答。

また、以前のように聞こえに不安を感じなくなった場合、「周りとより良いコミュニケーションが取れる」「家族や友人との会話が増える」など、“コミュニケーション”に関する期待が高い結果に。
若年層からは「何回も聞き返されると話しかけるのを諦めてしまう」という声もあり、シニアからも「聞き返すことが減って気まずさがなくなる」「話し相手に申し訳なさを感じなくなる」といった意見が見られた。
また、「周囲を気にせず自分らしく過ごせる」「趣味や活動にも前向きになれる」など、生活全体の質の向上への期待も強いことが明らかに。聞こえを補うことが「ありのままの自分」でいられる手段として肯定的に受け入れられていることが伺える。

【調査概要】
年代/調査人数
シニア:難聴を自覚している60代以上の男女 500名
若者:15歳〜35歳の男女 500名
エリア:首都圏在住
調査期間:2025年1月31日〜2月4日
調査方法:インターネット調査
(※)Source: Anovum – JapanTrak 2022
<参考>GNヒアリングジャパン『「補聴器をつけることに対する意識」アンケート調査レポート』