大学入試、「学力試験」に依存しない受験選択が増加 6割は一般選抜以外の入試方式を活用

じゅけラボ予備校は、大学受験の経験がある18歳〜21歳の男女1,886人を対象に、入試方式に関する実態調査を実施し、結果を公表した。

入試方式に関する実態調査を実施

■60.0%が一般選抜以外の入試方式を活用!

受験したことのある入試方式を調査した結果、60.0%が学校推薦型選抜や総合型選抜など一般入試以外の入試方式を受験していることが判明。

一般選抜のみ受験した人の割合は40%と、過半数を下回る結果となった。

受験したことのある入試方式

■約39%が学校推薦型・約22%が総合型選抜を受験

各入試方式を受験した人の割合を複数回答可で調査した結果、最も多かったのは「一般選抜」で51.4%、次いで「学校推薦型選抜」が38.7%、「総合型選抜」が21.8%、「その他」が3.2%という結果に。

各入試方式を受験した人の割合(複数回答可)

■51.4%が一般選抜で受験。学力評価で受験する受験者が5割強

同調査でもっとも多かった受験方式は「一般選抜」で約5割超(51.4%)となった。

この結果に同社は、大学入学共通テストや個別学力試験など、従来からの「テスト中心」の選抜方式を選ぶ受験生が依然として多数派であることを示しているとしている。

入試方法(一般選抜)

■38.7%が学校推薦型選抜を活用。高校生活の実績や個性をアピールしたい受験者が多数

次に多かった受験方式は「学校推薦型選抜」で38.7%。

「学校推薦型選抜」は高校での評定平均値や部活動・生徒会での実績、さらには教師からの評価などが大きく影響する方式で、学力試験だけでは測れない生徒の魅力を評価する枠組みとして人気となっている。

学校推薦型選抜入試では高校の先生との連携が必要とはなるが、学力偏重ではなく多面的・総合的に評価されることで、合格の可能性を広げたいという受験生にとってはチャンスが広がるという。

また、部活動の実績や地域ボランティア活動など、日頃から努力を重ねてきたことを確かな強みとしてアピールできる点なども特徴。

入試方法(学校推薦型選抜)

■21.8%が総合型選抜を選択。年々増加する“旧AO入試”からの新トレンド

「総合型選抜入試(旧AO入試)」で受験した人は21.8%という結果に。

総合型選抜では高校の成績や推薦状にとらわれず、出願資格を満たせば誰でもチャレンジできる方式が多く、面接による自己PRやプレゼンテーション、志望理由書など「個人の経験」や「意欲」にウェイトが置かれる入試形式となっている。

「書類審査」「面接」「小論文」「グループディスカッション」など、大学ごとに工夫された評価方法が設けられているのが特徴で、学力試験以上に、志望分野への熱意や将来ビジョン、課外活動などの実績が重視される。

文部科学省の調査をはじめとする各種データでも、総合型選抜入試(旧AO入試)の受験者数や合格者数が増えている傾向が確認されているとのことだ。

入試方法(総合型選抜入試(旧AO入試))

こうした背景には、多様な学びや個性を重視する社会の変化が大きく影響していると同社は考察。

学力試験だけでなく、高校時代の課外活動や将来のビジョン、さらに自らの主体性をアピールできる機会を求める受験生が増えており、大学側もそうした学生を歓迎する姿勢を強めているとし、今後総合型選抜での受験者数は、大学入試の多様化に伴いさらに伸びていく可能性が高いとしてる。

■総合型選抜入試の受験者は私立大学が多数で、国公立大学の約4倍という結果に。

総合型選抜(旧:AO入試)で大学受験をした18~21歳の男女411名を対象に調査を実施したところ、私立大学を受験した人の割合が83.9%、国公立大学を受験した人の割合が21.9%という結果が明らかに。

このことから、総合型選抜入試を利用した私立大学の受験者が国公立大学受験者の約4倍であることがわかり、私立大学の総合型選抜入試での生徒受け入れが多いことが伺える。

総合型選抜(旧:AO入試)で受験した大学の種別(複数回答可)

<参考>
じゅけラボ予備校『選択した受験方式に関するアンケート

モバイルバージョンを終了