ABCash Technologiesは、同社の金融教育を受けた361人の受講者を対象に「新NISA開始1年後の利用状況と満足度調査」を実施し、結果を公表した。
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■調査結果
新NISAを通じて、361人中323人が投資に対して「興味が高まった」「自信がついた」と回答し、全体の89.5%にポジティブな心理的変化が見られた。
同社は、新NISAをきっかけとした投資マインドの向上は個人の資産形成のみならず、社会全体の安定や経済発展にも大きく寄与する可能性を秘めているとしている。
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新NISAの制度に対する満足度調査では、「非常に満足」または「やや満足」と回答した人が全体の75.9%を占め、多くの利用者が制度に肯定的な評価をしていることが判明。
制度の全体的な評価は高いものの、「やや不満」と回答した人も少数おり、新NISAの非課税枠の拡充や利便性向上などが評価された一方で、改善を望む声も一定数みられた。
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「新NISAに対してどのような改善を望むか?」という質問に対しては、さらなる利便性と拡充を求める意見が寄せられた。
投資枠の柔軟性向上や税制優遇の強化を求める声が多数挙げられる中、非課税枠のリセット期間短縮や限度額撤廃、外国株の二重課税対策、損益通算の導入など、より有利な制度設計を望む声も多く聞かれる結果に。
また、18歳以下の利用解禁や投資教育の推進を求める意見もあり、投資教育の強化を求める声が多いのも特徴的となっている。
さらに、スマートフォン対応の強化や口座開設の簡素化など、利便性向上を望む声も多数。新NISAのさらなる普及と信頼性向上のため、積極的な広報活動を求める意見も目立つ。
物価高や老後資金への不安から、資産形成への関心が高まり、新NISAの利用者も増加する一方で、投資初心者には制度の複雑さがハードルとなり、より分かりやすく利便性の高い仕組みが求められている結果に。
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新NISAの利用に関して、継続する予定かを聞いたところ、全体の91.7%が「積極的に継続する予定」と回答し、大多数の利用者が継続利用への意向を示していることが明らかになった。
一方で、「どちらともいえない」や「まだ決めていない」と回答した人も一定数存在しており、一部の利用者には継続に対する慎重な姿勢がうかがえる。同社は、今後は新NISAが投資初心者や幅広い層のニーズにどのように応えていくかが、利用継続のカギとなると考察している。
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資産の変化に関する質問については、「増加した」と回答した人が最も多く(244人)、全体の67.6%が新NISAの非課税メリットや長期投資を促す仕組みが資産形成に寄与している可能性が示唆された。
一方で、資産額に「変化がなかった」と回答した人は全体の30.2%に達しており、制度を活用したものの、短期間での資産変動を実感できなかった層も一定数存在することがわかる。
また「資産が減少した」と回答した人はわずか2.2%にとどまり、NISAを利用した投資がリスクを抑えながら資産形成に寄与していることが示唆される結果に。
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さらに、資産が増加したと回答した人の多くが「10%未満の増加」と回答しており、着実に資産形成が進んでいる様子がうかがえる。
また、20%以上の増加を報告した方も全体の約4割に達し、回答した人のうち10.7%は30%以上増加。
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「新NISAでどのような資産に投資したか?」という質問に対して、最も多かったのは「投資信託」で、全体の中で主流となっていることがわかった。NISA制度が初心者から経験者まで幅広い層に対応する設計となっており、分散投資がしやすい投資信託が適していると同社は考察。
次いで「海外株式」「国内株式」と、株式への投資も人気を集めている結果に。
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「新NISAをどのように活用しているか」を聞くと、「積立投資枠のみ」を利用する人が64.5%を占め、新NISAの中で特に積立型の利用が広がっていることが示された。投資初心者や慎重な投資姿勢を持つ利用者は、新NISAの「積立投資枠」を入口として選択する傾向が強いことがわかるとしている。
一方で、新NISAの制度をフル活用している人は全体の約3割にとどまる結果となり、成長投資枠の利用が進んでいない実態も浮き彫りとなった。
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【調査概要】
調査タイトル:新NISA開始1年後の利用状況と満足度調査
調査対象:お金のトレーニングスタジオ「ABCash」卒業生、または、現在受講されている全国の20代~60代の受講生
調査期間:2024年11月30日~2024年12月8日
調査方法:インターネット調査
調査地域:全国
有効回答数:361件
※回答率(%)は小数点第2位を四捨五入し、小数点第1位までを表示。このため、合計数値は必ずしも100%とはならない場合あり。