KDDI、月-地球間および月面での大容量通信実現に向けた技術検討を開始 京セラ・NECらと連携
KDDIは、国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構（JAXA）の宇宙戦略基金の技術開発テーマ「月-地球間通信システム開発・実証（FS）」の委託先に選定され、2月から月と地球間および月面での大容量通信実現に向けた実現可能性の検討を開始すると発表した。
同社は、2024年11月15日に同案件の委託先として選定され、今後、京セラ、NECスペーステクノロジー、アークエッジ・スペース、日本電気、三菱電機、KDDI総合研究所と連携し、検討を進めるとしている。
現在、NASAやJAXAをはじめとする各国の宇宙機関は、2020年代後半の有人月面着陸や継続的な月面探査活動を目指す「アルテミス計画」を推進しており、これに伴い、月と地球間および月面での大容量通信環境の構築が求められている。
同社は、2022年からJAXAとともに、月面探査活動に向けた月-地球間の超長距離通信システムのアーキテクチャ検討を行ってきたという。また、2024年にはGITAI USA Inc.と協力し、月面での通信環境構築に向け、ロボットによる基地局アンテナ設置の実証を実施。
今回のフィージビリティスタディでは、X帯およびKa帯（※）を活用した長距離・大容量通信が可能な地上局の基本設計や、月面モバイル通信エリアの設計、月面基地局の構築方法などを検討する予定だという。
同社は、同案件で得られる成果と地上での通信インフラ構築やサービス提供に関する知見を活用し、持続的な月以遠の宇宙探査や月面産業の構築に貢献するとしている。
（※）月面探査向け通信への活用が期待される周波数帯。X帯は約7GHzから8.5GHzの範囲。Ka帯は約22.5GHzから27GHzの範囲。