東海カーボン・ブリヂストン・九州大学・岡山大学は、使用済みタイヤなどのゴム製品から再生カーボンブラック（recovered Carbon Black）（以下、rCB）を二次処理し、新品同様のゴム補強性を持つエコ・カーボンブラック（eco Carbon Black）（以下、eCB）を生成する技術開発プロジェクトを開始したと発表した。
同プロジェクトは、新エネルギー・産業技術総合開発機構（NEDO）の「グリーンイノベーション基金事業／CO2等を用いたプラスチック原料製造技術開発」に採択された実証事業「使用済みタイヤを含む高分子製品からのカーボン再利用技術の開発」の一環として実施するもの。
使用済みタイヤを熱分解してrCBを回収・再利用する取り組みは行われているが、rCBには多くの不純物が含まれ、ゴム補強性の面で課題があった。また、使用済みタイヤの多くは燃料として熱回収され、その際にCO2が排出される問題もあったという。
4者は、自動車・交通需要の増加に伴い、タイヤの需要が今後も伸長すると予想される中、原材料であるカーボンブラックのリサイクルを可能とすることで、資源循環の向上を目指すとしている。
同プロジェクトでは、東海カーボンが培ってきた技術・ノウハウと、ブリヂストン・九州大学・岡山大学の知見や技術を融合させ、rCB内の不純物を除去し、高いゴム補強性を持つeCBを生成する技術開発に取り組むという。
2032年度までにeCBを年間5,000トン生産する実証プラントの稼働を目指すとのことだ。
また、使用済みタイヤを熱分解せずにカーボンブラックの再利用を可能とする特殊ポリマー／特殊カーボン複合体の開発にも取り組むとしている。
■各組織の役割
・東海カーボン：rCBをeCBに二次処理するための技術開発および設備開発
・ブリヂストン：eCBを使用したゴムの物性評価、タイヤ実用性評価
・九州大学：eCBの表面状態観測と評価、ゴム補強メカニズム解明
・岡山大学：特殊ポリマー／特殊カーボン複合体開発
