若い世代から吸収しトレンドの先を行く|中町JPのA面

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共感される行動の背景にある理由を明らかにするインタビュー企画。数多くのユーザーに支持されるクリエイターにA(Action)面とB面(Business)の両面から、その行動の原理を探ります。第6回に登場するのは、中町JPさん。A面では人気YouTubeチャンネル 中町兄妹の兄として、BAR J&Jの共同経営者として活躍の幅を広げる中町JPさんのパーソナルな部分をQ&A形式で解剖していきます。

若い世代と関わることで情報収集のツールが変化

Q.普段最も利用するSNSは何ですか?

X、TikTok、Instagram、LINEです。大手チェーンのバズっている商品や、美容関連の本当にいい商品を見つけるにはXが最適だと感じています。妹の綾も、美容商品のおすすめをXで見つけていますね。

TikTokはグルメやお出かけスポットなどを検索するのに最適で、そのスポットの雰囲気を動画で確認できるところがいいです。Instagramでは、グルメアカウントなどをたまにチェックします。最近、InstagramはLINE化していて、DMで連絡を取るためのツールとして使っている人が多いように感じています。

Q.訪問先(店)選びの際にはどのように検索し、参考にしますか?

もともとはGoogleマップで「食べたい料理 場所 高級」などと検索していました。「高級」と入れることで、個室のある飲食店が出てきやすいんですよ。

YouTubeなどで高校生の子とコラボする機会が多くなって気づいたのですが、若い子はみんなTikTokを使って検索しているみたいです。なので、僕もTikTok で探すことが多くなって、TikTokで「焼肉 美味しい」といったキーワードを入れて検索すると、バズっているお店がすぐ見つかります。

Q.調べるツールが変わったことで、選ぶお店も変わったと感じますか?

はい、感じています。TikTokで飲食店を検索するようになってからは、どちらかといえばB級グルメや映える食べ物があるお店によく行くようになりました。

いいねの数がトレンドのしるし。実際に行って確かめたい

Q. コミュニケーションの取り方の変化について教えてください。

僕自身は、InstagramのDMよりもLINEで連絡を取り合うことが多いですね。YouTubeなどでのコラボ相手となる高校生の子たちとやり取りするときは、まずはInstagramのDMです。LINEを聞くのはちょっと気まずいくらい、DMでのやり取りが一般的になっているように感じます。InstagramのDMを見る習慣があまりないので、仲良くなったらLINEでやり取りします。

Q.TikTokで検索して出てきたお店のどんなところが決め手になって実際に足を運びますか?

検索したなかで、1番いいねが多い投稿で紹介されているお店は、トレンドをおさえるために行ってみようかなと思いますね。

自分に限らず、バズっているお店は、本当に美味しいのかどうかを実際に行って確かめたいという心理が働くはずです。「本当に美味しかった」または「まずかった」とリアルな感想で紹介してみたいと思って行く人が多いのではないかと思います。

Q.お店に足を運ぶまでのプロセスを教えてください。

TikTok上での「いいね」は、いつか行くための保存なので、実際に行く場所を決めるときは、自分のいいね欄を見返します。

無意識にタイムパフィーマンスを意識しているんだと思います。Netflixのマイリストにお気に入りの映画を入れておくと、いざ映画を見るときに何にしようか迷わなくていいのと同じように、TikTokのいいね欄からその日行く店をピックアップしています。

タイパという意味では、投稿には必ず場所を書いておいてほしいですね。どこにあるのかがすぐにわかると、お店を決めるときにとても助かります。

美容が熱い。もっと若年層に向けて広告を打ってもいいのかも

Q. 最近気になった広告や企業のPRはありますか?

気になった広告ではありませんが最近、小学6年生の子とYouTube撮影をしたときに衝撃的な出来事がありました。

その子は小学3年生からスキンケアをしているんですよ……!ということは、小3からすでに親にスキンケア商品を買ってもらっているんですよね。そう思うと、スキンケアをはじめとした美容アイテムの企業は、今よりももっと若年層に向けて広告を打ってもいいんじゃないかなと感じました。

妹の綾のスキンケアブランド「ASUNE(アスネ)」は、すごく反響が大きいです。綾は今23歳で、同世代や下の世代のファンがいます。その世代のファンの子もアスネの商品を購入していると思うので、23歳より下の世代もスキンケアの商品を購入しているのではないかと思います。

Q.SNS時代だからこそ、人前に出る意識が強くなったということはありそうですか?

あると思います。TikTokの影響はとても大きいでしょうね。

「TikTokで可愛いと思われたいから、美容を頑張って可愛くなりたい」という気持ちは、多くの若い子が持っているのではないかと思います。例えばTikTok上で、ふくよかだった子がダイエットを頑張って可愛くなっていく過程を十数秒にまとめたビフォー・アフターの動画がバズっている動画などは、コンテンツとしての注目度も高いです。その動画を見て「私も頑張ろう」と感じる子もいるはずです。

中町JPさんは関わる層に合わせて検索や連絡の方法を柔軟に変えることで、トレンドの最先端の情報を収集している。今回のインタビューからは、短い回答の中にも彼の若い世代への好奇心やリスペクトが滲み出ていたように思う。中町JPさんのY世代からZ世代、さらにはα(アルファ)世代までを繋ぐ発信に、今後も注目したい。

文:岩井なな
写真:小笠原 大介

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