Hacobuは、デンソー生産管理部がトラック予約受付サービス「MOVO Berth」を導入し、輸送ダイヤの精度向上と月次のダイヤ見直し作業の迅速化を実現した事例を公開した。

同事例では、ドライバーの心理的負担軽減やデンソーグループにも展開し物流効率化を進めていることについても紹介しているという。

デンソーは、1949年に設立された自動車部品メーカー。自動車に関わるさまざまな製品やシステムを国内外へ提供している。物流においても、社会課題を踏まえて荷主として物流改革を推進していくことに取り組んでいるとのことだ。

デンソーは2018年にMOVO Berthを導入して以来、11拠点に導入を拡大。現在はグループ会社への展開も進めているという。

■導入前の課題

バースの使用実態を定量的に捉えた改善活動ができなかった
バースはアナログ管理が主流だったという。トラックの到着状況の確認や必要に応じた改善は実施していたものの、トラックの到着やバースの使用実績をデータで定量的に把握することができず、適切なバース計画作成や計画と実績の乖離を正確に把握し、改善に繋げる事に限界があったとのことだ。

ドライバーの「早着」により1時間の荷待ちが発生することも
輸送ダイヤの精度に限界がある中で、必要以上の早着が発生。渋滞等による遅れを加味したバッファの30分の荷待ちは容認していたが、追加で30分程度、計1時間の荷待ちが発生するケースもあったという。荷待ち時間による業務効率の低下と、ドライバーの心理的負担軽減が課題に。

輸送ダイヤの見直しに工数と時間がかかっていた
月次の輸送ダイヤ見直しに際しては、複数の拠点にバースの空き状況等を確認する必要があり、見直しまでに時間と工数を要していたとのことだ。

■導入後の成果

ドライバーの心理的負担が軽減し、荷待ち時間も30分未満に削減
MOVO Berth導入により、ドライバーの到着時間とバース使用状況を定量的に把握できるようになり、根拠に基づく計画と実績の乖離の是正により計画の精度が向上。それにより、ドライバーの「計画通りに到着すれば作業ができる」との安心感から早着を防ぎ、結果、荷待ち時間は30分未満に短縮。

輸送ダイヤ見直しのリードタイムが短縮
各集荷拠点や中継地のバース使用状況を、各拠点に確認することなく即座に把握できるようになったため、輸送ダイヤの見直しが迅速化。各拠点の実績データを分析することで、輸送効率の向上にも取り組めるようになったという。

グループへの展開によるさらなる輸送効率化
デンソー内での運用成果を基に、グループ会社への導入が進んでおり、現在は10社で運用。データ活用の深化と拡大を軸に、グループ全体での荷役時間短縮や輸送効率化を進め、個社単位ではなくサプライチェーンの効率化を目指すとしている。

導入後の成果