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富士通クライアントコンピューティングは、変化する社会環境における大学生の姿を明らかにするために、全国の大学生1,000人を対象にした「令和大学生のモヤトリアム調査」を実施し、結果を公表した。
■7割以上が“忙しい”と感じる大学生活。やりたいことの多さとタイパ意識への共感が1位に
大学生活の忙しさについて聞いてみると、76.9%が大学生活に「忙しさ」を感じると回答。
大学生活の忙しさについて共感することを聞いてみると、「大人が思う以上に、今の大学生は忙しいと思う」(73.3%)、「授業やバイトで予定が毎日詰まっていて、とにかく時間が足りないと感じる」(66.7%)等、忙しさへの様々な共感の高さが明らかに。
中でも、「やりたいことがたくさんあるから、タイパを意識することが大事」という項目に共感した人は77.3%と最も多く、同社は、SNSの普及によって多様な価値観やライフスタイルに出会うことも多い大学生が、タイパ意識によって忙しさを感じていると推測している。
■本当は「先輩・友人との交流」や「勉強」を大事にしたいのに、「アルバイト」に時間を割かれている実態が。さらに、アルバイトは「生活のための重要な収入源」という切実な声も。
大学生が現在最も時間を割いているものを具体的に聞いてみると、1位の「趣味・娯楽」(14.6%)に続き、2位は「アルバイト」(13.0%)という結果に。
アルバイトについて共感することを聞いてみると、「授業の空き時間にアルバイトをして、少しでも多く稼ぎたい」(68.6%)、「アルバイトは小遣い稼ぎではなく、生活を支えるための重要な収入源」(61.2%)等、といった項目が上位に入っている。
一方、学生生活で最も大事にしたいことを聞いてみると、「アルバイト」は11位(3.6%)という低い結果に。
上位には1位「友人・先輩との交流」(18.4%)に続き、2位に「勉学スキルの向上」(13.7%)がランクインし、アルバイトやサークルなどよりも勉強を大切に思っているという結果も明らかとなり、現状と理想のギャップが浮き彫りとなった。
さらに、睡眠時間についても聞いてみると、1日の理想の睡眠時間は平均で約7.5時間であるのに対し、実際の1日の睡眠時間は平均で約6.4時間と約1時間も不足していることが判明。忙しさを感じる大学生の実態としては、アルバイトに多くの時間が割かれていて、睡眠時間も足りていない現状がうかがえた。
■「大学生は暇」「人生の夏休み」など、世の中からの偏見を感じる大学生がおよそ9割
大学生活は「人生の夏休み」と言われることもあるが、こうした今の大学生に対する偏見を感じるかどうか調査したところ、87.8%とおよそ9割の大学生が、偏見を感じていることが明らかとなった。
中でも、「大学生は暇」(41.9%)、「大学生は遊んでばかり」(41.4%)といった回答が上位に上がり、本当は忙しい大学生が世の中から暇だと思われてしまっていることに違和感を覚えていることがわかる。
■従来から変化した大学生の価値観をチェック 「飲みサー」「ぼっち授業は恥ずかしい」はもう古い?
そんな世の中からの偏見を感じている今の大学生活と世の中とのイメージギャップについても調査を実施。
大学生活のイメージについて、“考え方が古い”と感じるものを聞いてみると、「お酒は強い方がかっこいい」(44.8%)、「一人で授業を受けるのは恥ずかしい」(31.1%)、「先輩は後輩に奢って当たり前」(30.5%)が上位にランクイン。
さらに“これからの大学生に必要ないと思う言葉”を聞いてみると、「Fラン」(27.5%)、「飲みサー」(20.2%)、「意識高い系」(17.6%)などが上位に。
多様性を重視する現代の若者らしく、大学生活を送る上での価値観にも移り変わりが見える結果となった。
■半数以上が「遊び」よりも「勉強」を重視。「なるべく後ろの席に座りたい」けど、「勉強に打ち込む大学生を尊敬」という回答は9割近くも
続いて、大学生活において重要だと思うことは「勉強」と「遊び」のどちらかを聞いてみると、「勉強」と回答する大学生が53.0%と、半数を超える結果に。
自身の勉強に対する態度を聞いてみると、「留年せずに卒業したい」(94.8%)、「課題やレポートは期限内に提出する」(94.2%)など真面目な姿が見える一方、「なるべく後ろの席に座りたい」という回答は71.7%にのぼっている。
これらの結果から、勉強に対して熱く取り組むよりも卒業さえできればいいと感じる大学生が多いのかと思いきや、勉強や学業への意識についての項目をみると、「勉強や研究に打ち込んでいる大学生を尊敬する」との回答は88.3%で最多。
続けて、「楽単よりも面白い授業を受講したい」(73.7%)、「遊んでばかりだと、焦りを感じることがある」(64.7%)という回答がTOP3に並ぶ。
勉強をがんばっている他の人に対してポジティブな感情を持つ大学生は多く、自分自身もまた勉強を頑張ってみたいという気持ちがあると同社は考察している。
■社会問題となる“就活の早期化”や“ブラックインターン”は、大学生も身近に感じる存在に。「就活においても学業はもっと評価されるべき」という声も
学業と並行して行われる就活やインターンについて共感することを聞くと、78.9%が「社会人になるために必要な経験だと思う」と回答する一方、「想定していたよりも就活やインターンで多くの時間が取られてしまう」、「就活の準備は1〜2年生の時から始まっている」といった回答も目立った。
また、「就活のためになる」「社会経験になる」と大学生を騙し、学生を低賃金で働かせる悪質な「ブラックインターン」については、52.9%が「見聞きしたことがある」という回答結果に。
昨今問題となっている“就活の早期化”や“ブラックインターン”について、現代大学生も身近に感じていることが分かる結果となっている。
一方、大学生活のメインである学業と、大学生活の先に待つ就活への繋がりについては疑問を感じる声もあり、「真面目に授業に出ている大学生を評価してほしい」(84.2%)、「就活において、学業への取り組みはもっと評価されてもいい」(82.6%)という回答が上位に。
勉強を頑張りたいと思う一方で、“就活に有利になるわけではない”という大学生の本音が垣間見える結果となった。
【調査概要】
調査タイトル:大学生活に関するアンケート調査
調査対象:全国の4年制大学生男女(18-22歳)
調査期間:2024年11月1日~11月5日
調査方法:インターネットアンケート調査
サンプル数:1,000サンプル
調査実施機関:マーケティングアンドアソシエイツ
<参考>
富士通クライアントコンピューティング『大学生活に関するアンケート調査』