帝国データバンクは、2025年の注目キーワードについて企業へアンケートを実施し、その結果を公表した。
■2025年のキーワード、「トランプ2.0」が約9割でトップ。「値上げ」「賃上げ」が続く
2025年の注目キーワードについて聞いたところ、第2次トランプ政権を表す「トランプ2.0」をあげた企業の割合が87.4%でトップとなった。
食品、ガソリン、原材料などの「値上げ」も80%を超えており、「賃上げ」「人手不足」「円安インフレ」など、賃金や物価の上昇に関わるキーワードが上位に。また、企業や個人での活用が拡大している「生成AI」も5割を超えて、6位にランクインした。
さらに「人口減少」「異常気象」といった社会的な問題のほか、増税・減税などに関連する「財政政策」や「年収の壁」も4割の企業が注目するキーワードにあげた。
「トランプ2.0」をキーワードに選んだ企業からは、「グローバル経済においてトランプ政権の政策が大きなポイントとなる」や「関税引き上げなどにともなう自社メキシコ現地法人への影響を懸念」といった声があがった。
「値上げ」や「賃上げ」を選んだ企業からは、「昨年に引き続き、原材料の値上げ分を価格転嫁できなくて採算が厳しい状況」や「賃上げ圧力の強まりによるコスト負担の増加は中小企業にとって会社の存続に関わる問題」といった厳しいコメントも寄せられた。
一方で、「値上げが進むとともに賃上げが実施され、実質賃金も上がる好循環を期待している」といった、値上げ・賃上げに対する前向きな意見もあがっていた。
■業界別、「不動産」で「金利のある世界」が突出して高く、「運輸・倉庫」は「中東情勢」が目立つ
次に業界別に、全体より10ポイント以上高かった注目キーワードをみると、「不動産」では金利の上昇による住宅購入の抑制懸念から「金利のある世界」が全体を大きく上回った。また、「運輸・倉庫」では原油価格に影響を及ぼし得る「中東情勢」が目立った。
2025年は企業を取り巻く環境に厳しさが増す中で、企業の課題解決力とビジネス環境の変化への迅速な対応力のほか、政府・行政による経済・外交など多岐にわたる効果的な政策が問われる1年になるのではないかと同社は考察している。
【調査概要】
アンケート期間:2025年1月10日~15日
有効回答企業数:1,805社(インターネット調査)
<参考>帝国データバンク『2025年の注目キーワードに関するアンケート』