Amazonビジネスは、2025年の調達分野に関する調査結果をまとめた「2025 調達分野の調査レポート」を発表した。同調査は、調達ニーズや優先事項、課題に関する動向を明らかにするもので、コスト管理や業務改善が最優先課題であり、AI導入やESG施策の推進は後退していることが判明した。
調査結果によると、日本の調達担当者の42%は、2025年の調達予算が2024年を上回ると予想しているが、経済的リスクに対する慎重な姿勢が見受けられるという。また、37%が購買コストの上昇を最重要課題として挙げており、調達部門にとって商品やサービスコストの上昇は深刻な問題となっていることが明らかとなった。
さらに、調達部門では業務の効率性や社内の購買プロセスの煩雑さが引き続き課題とされ、テクノロジー導入に関しては、昨年に比べわずか7%の増加にとどまっているという。調達部門の半数以上が、業務効率化を優先していることが明らかになった。
一方、AI導入に関しては、93%の調達責任者が投資計画があると回答しているが、主な用途としては予測分析よりも調達プロセスの自動化が挙げられており、戦略的なAI活用の進展は遅れていることがわかった。
ESGに関する取り組みでは、調達部門の34%が昨年、持続可能性を優先事項のトップ3に挙げていたが、今回の調査ではその割合が8%にまで低下しており、短期的な課題への対応が優先されていることが浮き彫りとなったとのことだ。
【調査概要】
調査委託元:Amazon
実施者:KRCリサーチ
実施期間:2024年6月11日〜8月1日
対象者:3,458名の調達部門の意思決定者および上級幹部
対象地域:アメリカ、フランス、ドイツ、イタリア、メキシコ、日本、スペイン、イギリス
対象業界:9つの業界、地域に応じた最低収益基準を満たす組織
調査内容:調達の課題、優先事項、ニーズ、サプライヤーの特性・評価、社会的責任のある購買、テクノロジーに関連する調達トレンド、業界・国ごとの違い
調査方法:自由回答形式の調査、組織リーダーへの詳細なインタビュー、Amazonビジネス役員へのインタビュー
<参考>
Amazonビジネス『2025 調達分野の調査レポート』