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paizaは、同社が運営するITエンジニア向け転職・就職・学習プラットフォーム「paiza(パイザ)」登録者のITエンジニア、プログラミング学習者を対象に「プログラミング言語に関する調査(2024年版)」を実施し、結果を公表した。
■提示年収が高い言語ランキング、1位:Go(711万円)、2位:TypeScript(698万円)、3位:Scala(680万円)
2024年の提示年収が高い言語ランキングでは、Go、TypeScript、Scalaがトップ3となった。
1位から6位までは2023年の同ランキングから順位が動かず、昨年と比較して言語別需給バランスに大きな変動が無かったことがうかがえる結果に。
一般的に、JavaScriptは多くのソフトウェア開発現場で利用されてきた背景があるが、昨今大規模なシステムを中心にTypeScriptへの移行が見受けられているという。TypeScriptの提示年収が高まっている背景には、この移行が影響している可能性もあるのではないかと同社は考察している。
■穴場言語ランキング、1位:Kotlin、2位:Swift、3位:Go
企業の求人が多い(≒求められている)にも関わらず応募者数が少ない言語を「穴場言語」として調査したところ、1位:Kotlin、2位:Swift、3位:Goという結果となった。
KotlinはAndroidアプリの開発、SwiftはiOSアプリの開発、Goは膨大なデータを扱うサービス開発(大規模なユーザー数を保有するサービスの開発)に適している言語。
アプリの開発でニーズが高まっている中で、相対的に応募者が少なく転職活動においては比較的ライバルが少ない可能性があるのではないかと同社は考察している。
■プログラミング言語トレンド2024「人気言語ランキング(社会人編)」
- PythonとJavaは不動のワン、ツー
PythonはAI開発やデータ分析に強い言語であり、昨今のAIの発展による影響が考えられます。
また、Javaは大手SIの開発からゲームの開発まで幅広く使われ続けているため高い人気を維持し続けていると考察いたします。
- PHPやRubyから他言語へと人気が分散している可能性がある
2022年まで3位をキープしていたPHPは、昨年・今年で1つずつ順位を落とし、今年は5位という結果に。
PHPはWebアプリケーションの開発に適した言語である一方、市場が急拡大しているモバイルアプリケーションの開発においては、他の言語(AndroidであればKotlin、iOSであればSwift等)を用いることが多いという背景から、他言語への人気が分散が今回の低迷につながっているのではと同社は推測。
また同社は、RubyもPHPとほぼ同様の理由で順位を落としているのではないかと考察している。
- JavaScriptの台頭
2020年に6位だったJavaScriptは徐々に順位を上げ、2024年はトップ3入り。フロントエンド開発にもバックエンド開発にも使用でき汎用性が高いことや多数のライブラリやフレームワークが存在するためシステム開発において適応性が高いことが、順位を上げてきた背景にあると同社は推測している。
■プログラミング言語トレンド2024「人気言語ランキング(学生編)」
- 学生の中ではPython、Java、C、C++、C#が不動のトップ5
C言語はPythonやRuby、PHP等のプログラミング言語のもととなっていることやOSの記述に多く使われているため、いわばシステム開発の基礎となっているという。そのため、情報系学部に通う学生が学ぶ言語としてC言語が選択されることが多くあることが背景として考えられるとしている。
Pythonはコードの読み書きが比較的容易で取り組みやすいということに加え、「DNCL2」という大学入学共通テスト専用の擬似プログラミング言語によく似ていることやAI・機械学習などに使われる言語であることから、学生からの学習人気が高いと同社は想定している。
<参考>
paiza『プログラミング言語に関する調査(2024年版)』