デンソーとMSL、混載輸送サービスの実用化に向けた長期実証実験を開始 2024年問題の解決やCO2排出量削減に貢献

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デンソーと三井倉庫ロジスティクス(以下、MSL)は、混載(※1)輸送サービスの実用化に向けて、長期実証実験を開始すると発表した。

同実証では、荷物を積載するコンテナ部分を脱着できるスワップボディコンテナ車両を用いた幹線中継輸送サービス「SLOC」(Shuttle Line of Communication)を活用するという。

期間は、2025年5月末頃までの約6カ月間を予定しているとのことだ。

デンソーとMSLは、2023年7月10日から14日の5日間にわたり共同で行った実証実験で、SLOCが物流における「2024年問題」の解決につながる有効な手段であることを確認。特に、コンテナが脱着できるスワップボディコンテナ車両を使用することで、車両が出発地点に到着するまでにコンテナへの混載作業を行うことが可能に。

これにより、車両はコンテナを交換するだけで速やかに出発でき、ドライバーの待機時間の短縮につながったとしている。また、SLOCを活用した混載輸送は、計画した時間通りの運行の実現に効果的であることが明らかになった。

今回の実証実験は、実際の貨物を輸送するMSLの事業活動の中で実施。SLOCとMSLの製・配・販連携ロジスティクスプラットフォーム(※2)を組み合わせて、前回の実証時から共同領域を拡大させた運用を行うことで、中継輸送と混載輸送を組み合わせたサービスの実用化に向けた課題をより具体的に洗い出すことを目的としているとのことだ。

荷主が希望する運行スケジュールを実現しながら、複数荷主の荷物をデンソーの独自AIアルゴリズムによって算出した最適な組み合わせで混載し、積載率を向上できるかを検証。また、スマートフォンとQRコードを活用し、コンテナが正しく中継されたかを管理する中継管理システムを運用することで、さらなる改善に向けた利便性の検証を行うとのことだ。

今後、両社はSLOCの社会実装に向けた取り組みを加速させ、物流業界における人手不足や長時間労働といった2024年問題の解決や、CO2排出量削減に貢献するとしている。

実証実験の概要図

■実証実験の概要

実施内容
MSLが運営する、2カ所の中継地点(MSL座間事業所「神奈川県座間市」・MSL名古屋事業所「愛知県春日井市」)で貨物の混載を行い、北関東から関西、関西から北関東に輸送

実証期間
2024年11月25日~2025年5月末頃

参加企業と役割
MSL/荷主との請負契約、混載の荷物管理、混載作業
デンソー/中継輸送の運行スケジュール立案、運行管理

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