SENは、経営者1,006人を対象に「アフターコロナの企業のメンタルヘルスケア対策」に関する調査を実施し、その結果を公表した。
■経営者の8割以上がコロナ禍を経てもメンタルの不調を訴える従業員数は「増加傾向」あるいは「変わらない」と回答
同調査で、コロナ禍を経てメンタルの不調を訴える従業員数は現在までどのように変化したか聞いたところ、4.4%が「増加傾向」、13.5%が「やや増加傾向」、64.8%が「変わらない」と回答。
また、コロナ禍を経て企業を経営する上で従業員のメンタルヘルスケア対策の重要性を聞いたところ、「非常に重要だと思う」が24.0%、「ある程度重要だと思う」が59.2%という結果に。
■メンタルヘルスケア対策が重要だと思う理由は「組織のパフォーマンスとの相関関係を実感しているから」
従業員のメンタルヘルスケア対策について、「非常に重要だと思う」「ある程度重要だと思う」と答えた経営者に、その理由を聞いたところ、「組織のパフォーマンスとの相関関係を実感しているから」が64.5%、「従業員の休職・離職率との相関関係を実感しているから」が43.4%と続いた。
また、従業員のメンタルヘルスケア対策について、「あまり重要だと思わない」「全く重要だと思わない」と答えた経営者に、その理由を聞いたところ、33.7%が「効果がないと思っているから」、23.7%が「企業の業績と関係がないと思っているから」、17.8%が「メンタルヘルス対策に回す人手が足りないから」と回答。
■経営者の約7割がメンタルヘルスケアに前向きな一方で、必要性を感じていない経営者も
従業員向けのメンタルヘルスケア対策の実施状況を聞いたところ、「すでに実施している」が23.6%、「実施していないが、実施を検討している」が19.7%、「実施も検討もしていないが、必要性は感じている」が30.9%という結果に。
「すでに実施している」「実施していないが、実施を検討している」「実施も検討もしていないが、必要性は感じている」と回答した経営者に、実施済みもしくは検討をしているメンタルヘルスケア対策を聞いたところ、54.8%が「組織内のコミュニケーションを増やす」、46.1%が「ストレスに関する問診・アンケート」、40.0%が「勤務時間・休日の調整」、37.8%が「産業医やカウンセラーによる面談・診療」と回答。
■厚生労働省が義務化しているストレスチェックの実施率の低さが浮彫に
厚生労働省が義務化しているストレスチェックの実施状況について聞くと、25.2%が「意義を感じ真剣に取り組みたいが手が回らず適当になってしまっている」、23.9%が「意義を感じ、真剣に取り組んでいる」と回答。
■ストレスチェックに意義を感じない理由「正確なストレス状況がわかるとは思えない」「ストレスチェックの詳細が良くわからないから」など
ストレスチェックの実施状況について、「意義を感じる」と回答した経営者に、その理由を聞いたところ、「組織のストレス状況がわかり改善に向けた取り組みを行うことができると考えるから」が60.9%、「メンタルヘルス不調の重症化の予防になると考えるから」が59.4%、「従業員の休職・離職率を減らすことに繋がると考えるから」が40.2%という結果に。
一方で、ストレスチェックの実施状況について、「意義を感じない」と回答した経営者に、その理由を聞いたところ、53.7%が「ストレスチェックだけで正確なストレス状況がわかるとは思えないから」、23.2%が「ストレスチェックの詳細が良くわからないから」、20.1%が「ストレスチェックの結果を受けても何をしたら良いのかわからないから」と回答。
【調査概要】
調査内容:“アフターコロナ”の企業のメンタルヘルスケア対策に関する調査
調査対象:調査回答時に経営者と回答したモニター
調査人数:1,006人
調査期間:10月29日~30日
調査方法:PRIZMAによるインターネット調査