ソフトバンクと富士通は、AI-RANの実用化に向けたパートナーシップを強化すると発表した。両社は2024年10月25日に覚書を締結し、AI(人工知能)とRAN(無線アクセスネットワーク)を統合する新アーキテクチャー「AI-RAN」の2026年以降の実用化を目指し、ソフトウエアの共同研究開発に着手するとのことだ。
さらに、米国テキサス州ダラスにある富士通拠点内に検証ラボを設立する予定で、このラボではAI-RANを構成するハードウエア、ソフトウエア、およびアプリケーションの検証を行い、新たなビジネス創出の場とすることを目指すという。この施設を通じてAI-RANの理解を深め、エコシステム拡大およびグローバル市場での普及促進を図る方針だ。
また、両社は2024年10月よりソフトバンクが進めているAI-RANの屋外実証実験に協力しており、富士通が提供する「NVIDIA GH200 Grace Hopper Superchip」対応の「NVIDIA AI Aerialプラットフォーム」を基盤としたvRANソフトウエアとRadio Unit(無線機)を活用している。両社はこの実験で、1サーバー当たり20セルの同時通信が高品質に動作することを確認しているとのことだ。
今後は、AIを適用した「AI for RAN」対応のvRANソフトウエアの研究開発をさらに進め、RANの性能最大化を目指したソフトウエア開発および実証を行うという。これにより、通信性能や体感品質の向上を図り、モバイルインフラへの効率的な投資を促進することを目指すとしている。