エムステージは、同社が運営する「Dr.転職なび」「Dr.アルなび」の登録医師のうち男性医師367名に「育休」に関するアンケート調査を実施し、その結果を公表した。
■子どもがいる男性医師の9.9%育休の「取得経験あり」
子どもがいる男性のうち、育休を取得したことが「ある」と回答した医師は9.9%となった。民間企業の2023年度の男性の育休取得率が30.1%(※)であったことから、民間企業と比べ男性の育休取得が進んでいない結果に。
■育休を取得しなかった理由は「取得するという考えがなかった」が最多
子どもがいるが、育休を取得しなかった理由について、「取得するという考えがなかった」という回答が最も多く、次いで「仕事が忙しく、職場に言い出せなかった」「収入が減ることに抵抗があった」「今後のキャリアへの影響を懸念した」が続く結果に。
■勤務先は「育休を取得しやすい」3割未満に留まる
勤務先には男性が育休を取得しやすい雰囲気が「ある」と回答した医師は8.4%、「どちらかといえばある」と回答した医師は18.0%で、勤務先で「男性育休」が取得しやすいと感じている医師は3割未満に留まる結果に。
一方、女性が育休を取得しやすい雰囲気が「ある」と回答した医師は30.0%、「どちらかといえばある」と回答した医師は39.5%で、約7割が勤務先で「女性育休」を取得しやすい雰囲気があるという結果に。
同結果から男性の育休と女性の育休との間に、「取得しやすい雰囲気」という点で大きな違いがあることが分かった。
■2人に1人以上は育休取得を希望
今後子どもができた場合、育休を「取得したい」と回答した医師は34.7%、「できれば取得したい」と回答した医師は22.7%となり、男性医師の2人に1人以上は今後育休を取得したいという意向がある結果に。
■育休を取得しやすくするには「労働環境の整備が必要」
今後、育休を取得する医師と周囲の医師がうまく協業していくために必要と感じることに関するフリー回答では、勤務先の労働環境の整備に関するコメントが最も多かった。また、医師同士の理解に関するコメントや現場への感謝、人員の確保などのコメントも見られた。
労働環境に関するコメント
・仕事量が増える医師へのインセンティブを与える。また、当直や外来など人手がいるところは管理職医師も積極的に役割分担するような体制づくり[30代/腎臓内科/勤務医(国立の大学病院)]
・人員が減った分の負担が増えても給与に反映されるわけではないため、労働を正しく評価するシステムが必要[40代/総合診療科/勤務医(民間病院)]
・仕事をカバーする周囲の医師に対しての、賃金の上乗せ[60代以上/産婦人科/勤務医(民間病院)]
・他の人が上手くカバーできる体制構築が重要[30代/呼吸器外科/勤務医(民間病院)]
その他のコメント
・現場への感謝を忘れないことが大切[40代/健診・ドック/勤務医)フリーランス)]
・お互い様の精神[40代/糖尿病内科/勤務医(私立の大学病院)]
・周囲に対する感謝の気持ち。育休明けの勤務態度[60代以上/消化器内科/勤務医)診療所・クリニック)]
・同僚医師の理解。職場は、育休の経験がある医師の方々が多く、幸いだった[40代/リウマチ科/勤務医(民間病院)]
【調査概要】
調査対象:エムステージが運営する『Dr.転職なび』『Dr.アルなび』に登録する会員男性医師
調査日:2024年08月20日~08月27日
調査方法:webアンケート
有効回答数:367
※出典:「令和 5 年度雇用機会均等基本調査」(厚生労働省)
<参考>エムステージ『「育休」に関するアンケート』