【クルエルティフリーのアイテム】ストレスのないアクションを徹底する|宇野唯奈のサステナブック

TAG:

日々の暮らしのなかにあるサステナビリティを紹介する特集「サステナブック」。第26回に登場するのは、アクティビストでフィットネストレーナーの宇野唯奈さん。大学院にてジャンダー学を深め、あらゆる社会問題に関心を寄せる宇野さんが、クルエルティフリーについて紹介。

【プロフィール】
宇野唯奈さん
アクティビスト/フィットネストレーナー。 米国フロリダ州での高校生活をきっかけにジェンダー問題を実感し、ロンドンにてジェンダー学の修士号を取得。以後、アクティビストとしてジェンダーを起点とするさまざまな社会問題について発信している。

動物実験を行わないアイテムを選択

——今回ご紹介いただくサステナブルなアクションについてお聞かせください。

商品の開発や製造過程で動物実験を行わない「クルエルティフリー」のアイテムを使っています。クルエルティフリーブランドの中では、特にTHE BODY SHOP(ザボディショップ)が好きです。

高校生の頃から、THE BODY SHOPのボディクリームの香りが好きで使い始めたのですが、店舗には “動物実験はしていません”といったメッセージが大きく掲げられていました。それまで、動物実験は製品開発に必要なものだと認識していたのですが、動物実験をしなくても成り立つブランドがあることを知り、興味を持つようになりました。医療の分野では必要な場合もありますが、スキンケアやメイク用品などの自分が使うものに関しては、動物を犠牲にしない選択をしたいと考えるようになりました。

THE BODY SHOPはボディケア製品が有名ですが、リップやコンシーラー、アイシャドウなどメイク用品も充実しています。また、竹素材で作られたリユーザブルなコットンパッドもお気に入りです。

THE BODY SHOPのアイテム

——クルエルティフリー以外に感じているTHE BODY SHOPの魅力はありますか?

女性の雇用創出やエンパワーメントに向けた取り組み、フェアトレードなども行っています。新しい店舗を展開する際には、リサイクル可能な素材や 再生プラスチック、FSC 認証を受けた木材を使用するなど、あらゆる面でサステナビリティに配慮しているのが素晴らしいです。
また、私はジェンダー平等の実現を目指す活動を行っているので、THE BODY SHOPが「コミュニティフェアトレード」を通じて、世界の貧困地域に住む女性たちの雇用を支援していることにも、大きな魅力を感じています。

私なりのサステナビリティ

——そのほかに、普段の生活のなかで意識していることはありますか?

フードロスに気をつけています。規格外の野菜やフルーツが売られているときは、できるだけそちらを選ぶようにしています。まだ食べられるのに売れ残ってしまった食品を見つけることができるアプリ「TABETE」の利用もおすすめです。
家では、冷蔵庫の中の食材を無駄にせず、賞味期限内にすべて食べきるように毎日の献立を考えています。これは、ゲーム感覚で楽しみながら続けられているフードロス削減アクションです。

——高校の時にフロリダでの寮生活を送るなかでジェンダー問題に気づき、そこからあらゆる社会問題に関心を持ったそうですが、具体的にどんなことがきっかけだったのですか?

高校時代にラクロスをしていたのですが、女子選手は男子選手から格下に見られたり、「女性だから料理を学ばなきゃね」といった偏見を含んだ発言を受けたりしました。でも、先生や友人たちはそのような発言を見逃すことなく、すぐに指摘し、それを学びの場として活用していたんです。
これは10年前の話ですが、当時の日本では笑ってごまかしていたようなことが、実際には差別や格差を助長するものであると気づかされました。

そこからジェンダー学を深めていくなかで、すべての社会問題はジェンダーの視点から考えることができ、またその視点を忘れてはいけないと感じました。例えば、気候変動によって移住を余儀なくされた地域では、男性が出稼ぎに出て、女性だけが取り残されるケースがあります。また、難民キャンプでは性被害が問題となっています。このように、ジェンダー問題は非常にセンシティブで複雑ですが、それだけ学ぶ価値があり、興味深いテーマだと思います。

講演風景

——何から始めればよいのかわからないという方にアドバイスはありますか?

例えばサーフィンが趣味であればビーチのゴミを拾って帰る、動物が好きであればクルエルティフリーのアイテムを使ってみるなど、自分が興味を持てるものから始めるのがいいと思います。もしそれが見つからない場合は、マイボトルやマイバッグを持つことが一番簡単で取り組みやすいです。ストレスなく続けられる行動を徹底することが大切で、それが私のおすすめするアクションです。

実は、私の母もサステナビリティにはあまり関心がなかったのですが、ゴミの分別について発信している芸人・滝沢秀一さんのSNSを見てから意識が変わりました。今ではゴミの分別を徹底し、私にも教えてくれるほどです!

マイボトル

——今後、私たちはサステナビリティとどのように向き合うべきだと思いますか?

“It’s only one straw, said 8 billion people.”(たった1本のストローと80億人が言った)という言葉があります。「たった1本のプラスチックストローで何が変わるの?」と思っている人が世界中にいるから今の問題が起きている……。この言葉を見た時にハッとしました。一人の行動では変わらないかもしれないけれど、みんなでやってみなければ結果はわかりません。そういったマインドを持つことが、今後さらに重要だと思います。

そして、今年の夏は本当に暑かったですよね。明らかに地球が異常な状況であると実感した人も多かったのではないでしょうか。気候変動は、これまでの私たちの行動の結果引き起こされているものです。この暑さを思い出して、「気候変動は他人事ではない」と感じることができれば、何かしらのアクションにつながるのではないかと考えています。

モバイルバージョンを終了