LIFULL、生成AIの社内活用推進で年間約42,000時間の業務効率化を実現 バックオフィスや営業職でも活用が浸透

LIFULLは、2023年10月~2024年9月の1年間において、LIFULL単体従業員の82%が生成AIを活用し、合計41,820時間の業務効率化を実現したことを発表した。

同社は、経済産業省が定めるDX認定事業者として自社内における生成AIの活用を2023年8月から推進しており、2023年10月~2024年3月の半年間の集計から今回更に活用が進行したため、生成AI活用による業務効率化を調査したとのことだ。

■調査結果サマリー

・生成AI活用による業務効率化を調査したところ、82%に該当する532名が「生成AIを活用して業務効率化できている」と回答し、前回調査比10.2%増となった。

・LIFULL単体従業員(正社員・契約社員)649名の総勤務時間の3.2%に該当する41,820時間を、生成AIを社内で活用することにより新たな業務時間の創出ができたことが判明。

・創出できている時間は月間4時間未満が全体の43.3%と最も多いが、月間8時間以上創出出来ている従業員も全体の18.5%(前回調査比4.8%増)となっており、全体の新たな業務時間創出を牽引している結果に。

業務効率化時間(1カ月当たり)

・従業員のうち66.4%にあたる431名は生成AIの活用によって「業務の質も向上した」と回答(前回調査比13.7%増)。

生成AI活用の効果

■職種別生成AIの活用状況

職種別における生成AIを活用できている従業員構成比は、エンジニアおよびデザイナー職において業務オペレーションに生成AIを組み込む等の効果により、ほぼ100%活用できている状況に。

その中で、一般的に活用障壁が高いと思われるバックオフィスや営業職においても、84.3%、74.9%と従業員が活用できており、全社的な活用取組みにおける浸透効果が現れていることがうかがえる。

職種別生成AIの活用状況

■生成AIの活用シーン

活用シーンは前回調査と変わらず「文章・資料の作成/編集/添削」が最も多く、業務時間を創出できている従業員のおよそ6割にあたる326名が活用。

また、「調査/検索/情報収集/情報の整理/データ分析」「アイデア出し/壁打ち/比較検討」についても活用率が高い状況が継続している。

前回調査と比較しても活用シーンの分布にほぼ変化がなく、活用しやすいシーンが明確になってきているとのことだ。

生成AIの活用シーン

■生成AI活用事例

1.オペレーター業務フローに生成AIを組み込み、半年間で1,680時間の業務効率化を実現。

●顧客対応フローの最適化:
生成AIを用いて多角的な分析を行い、顧客の優先度を判断する仕組みを構築。また、対応も小さいタスク単位で処理できるように最適化し、チームでの効率的な対応を実現。

●メール文面の自動生成:
問い合わせ情報や過去の対応履歴を活用し、生成AIでパーソナライズされたメール文面を自動生成する仕組みを構築。生成に必要な情報を絞ることでハルシネーションを防ぎ、修正時間を短縮することに成功。

生成AI活用事例

2.検索エンジンのユーザー意図の分析のため、10万件のキーワード分類を実施。

●検索エンジンのキーワード分析を実施:
LIFULL HOME’Sのサービスにおいて生成AIを用いた検索キーワードの分類を実施し、検索エンジンの最適化を実施。10万件という、従来では分析が難しい分量の分析が可能となった。

検索エンジンのユーザー意図の分析のため、10万件のキーワード分類を実施

■業務時間を創出したことによる効果

生成AIの社内活用によって業務時間を創出したことで、目標達成に繋がるコア業務の比率が前年同期間比で2.9%~5.3%ほど向上したとのことだ。

業務時間を創出したことによる効果

<参考>
LIFULL『LIFULL社内における生成AIの活用調査

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