EVジェネシスは、災害時の停電や孤立集落へ電気を届けるための小型EV電配車を開発したことを発表した。
電配車に搭載されている同社開発のバッテリーは、安全性の高いリン酸鉄リチウムイオンバッテリーであり、走行用バッテリーと電配用バッテリーがあるという。2種類のバッテリーを完全に分けて使用することにより、より多くの電力を被災地に届けることが可能だとしている。
走行用バッテリーは150キロメートル走行が可能であり、車内ではスポットクーラーや家電製品が使用可能。また、電配用バッテリーは少しでも沢山の電気を配送できるように容量を走行用より1.2倍にしているという。
供給能力としては電配用バッテリー1台でスマートフォンが600台分充電でき、乳幼児のための電気ポット、スポットクーラー、冬場の電気毛布など、さまざまな電気機器に電力を供給することが可能。電配車にはこのバッテリーを3台積載することができるという。
同社は電気の地産地消を目指し、ペロブスカイトソーラーパネルから発電した電力を1ワットたりとも無駄にすることなく、蓄電池に貯めることが可能としている。
バッテリーの安全面に関しては海外での事業展開を念頭において、CE、UN、FCC、MSDS、RoHSなどの安全基準を取得しており、充電器についてもバッテリーと同じくCE、UN、FCC、MSDS、RoHSなどの安全基準を取得しており、電気安全法に基づくPSEの安全試験に合格しているという。
さらに、IP67の防水性能を持ち、豪雨の中でも双方向で給電も充電も可能。
車体は、平常時は地域の物流や観光案内などで働く車として収益を上げながら、災害時にはオプションのプロテクター(ソーラーパネル・リン酸リチウムイオンバッテリー・ノーパンクタイヤ・特殊カーテン)を装着することで、災害時に特化した車両へと変化するとのことだ。