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ロッテは、「ちょこっと幸せ研究所」にてチョコレートと幸福度の関係性について研究を進めており、今回は「ミルクチョコレートのなめらかさがもたらす感情への影響」に関する研究を実施し、結果を公表した。
なお同社は、同研究結果について、第26回日本感性工学会大会にて発表している。
■研究方法
ミルクチョコレートが嫌いではないと回答した22歳から63歳までの健康な男女35名(男性22名、女性13名)を対象に、ミルクチョコレートの喫食前後および喫食中の、主観的評価・生理指標を比較。
また、チョコレートのなめらかさの差異は粒度とし、粒度の粗いミルクチョコレートとなめらかなミルクチョコレートを同じ組成で用意し、粒度の違いによる結果の比較を実施。
主観的評価は、VASアンケートおよび二点試験法にて評価し、前頭部脳波はパッチ式脳波計を用いて、自律神経指標は耳朶容積脈波計を用いて測定した。
■主観的評価
●ミルクチョコレートを食べると幸福感が有意に上昇。
ミルクチョコレートの喫食前後の主観的幸福感を比較したところ、粒度の粗いものとなめらかなもの共に、喫食後に主観的幸福感が上昇。
●よりなめらかなミルクチョコレートは、主観的幸福感や元気、癒しといった感情面に大きく影響。
粒度の違いを明かさずにミルクチョコレートを食べ比べてもらったところ、よりなめらかなものの方が好みと答えた人が24人、粒度の粗いものの方が好みと答えた人が4人という結果に。
さらに、どちらがより幸福感を感じるかついても聞いたところ、なめらかなものの方が25人、粒度の粗いものの方が3人という結果が得られ、なめらかなミルクチョコレートの方がより幸福感を感じていることがわかった。
また、「癒しをもらえると感じたか?」「元気をもらえると感じたか?」といった質問項目でもなめらかなミルクチョコレートの方が有意に高く、感情面にも影響することが判明。
■自律神経指標
●粒度の違いによる幸福感の差があるとき、「副交感神経」にも有意差あり。
喫食後のデータでは、副交感神経指標の一つであるHF値が、粒度の粗いミルクチョコレートと比べてなめらかなミルクチョコレートを食べた時の方が高い値となっている。
副交感神経は、安静時やリラックス状態に優位になるといわれており、自律神経指標でも、粒度の異なるミルクチョコレート喫食による主観の違いが現れることが新たにわかった。
■脳波
●粒度の違いにより、喫食後の脳波にも有意差を確認。
同じく喫食後の前頭部Mid-α波、Low-β波は、いずれもなめらかなミルクチョコレートを食べた時の方が有意に低い値となった。
同社は今後、脳波計測に加えセロトニン、オキシトシンといった幸せに関連するといわれている脳内伝達物質の測定など、多角的に研究を行い、食品喫食時の“主観的幸福感”の可視化につなげていきたいと考えているとのことだ。
<参考>
ロッテ「ちょこっと幸せ研究所」『「ミルクチョコレートのなめらかさがもたらす感情への影響」に関する研究』