大日本印刷(DNP)は、バイオマス(植物由来の原料)を重量比で50%使用した(バイオマス度50%)のポリエチレン(PE)フィルムのパッケージを開発・提供を開始したことを発表した。
これまで、環境に配慮した素材の使用やプラスチックの削減は、製品の性能や生産性の低下が課題となっていた。
同製品は液体、粉体を扱う化学品、医薬品、食品・消費財メーカーなどのパッケージにおけるCO2排出量削減の課題解決に対応し、開封しやすさや内容物の保護、帯電防止性などの機能を損なうことなく、環境負荷の低減につなげるとしている。
■「DNP植物由来包材バイオマテックPEフィルム」の特長
再生可能な植物由来原料のバイオマスは植物の生育過程でCO2を空気中から取り込んでいるため、石油由来原料と比べ、これらの原料を使ったパッケージのライフサイクル全体でCO2を削減するとみなすことができるという。
今回同社が開発したバイオマス度を50%に高めたPEフィルムのパッケージ使用することで、製品のライフサイクル全体でCO2排出量を約15%削減可能(同社調べ)。
同社の製膜技術を活かすことで、同製品はバイオマス度を50%に高めながら、従来のPEフィルムの開封しやすさや液体・粉体に使用できる耐衝撃性などを保持しているとのことだ。
また、帯電防止機能も付与することで、粉体の内容物を充填する際の静電気発生による不良を減らし、粉体を扱う化学品、医薬品、食品・消費財メーカーの生産性の低下防止につなげていくとしている。
■今後の展開
同社は同製品を環境負荷の低減に努める食品・消費財メーカー他、化学品、産業資材、医薬品メーカーにも提供。また、「DNP植物由来包材バイオマテック」のラインアップをさらに拡充し、企業の環境負荷低減に貢献するとのことだ。