ウブンは、Amazon Marketing Cloud(以下、AMC)を用いて、2023年10月に実施されたAmazon「プライム感謝祭」期間中のユーザー動向を調査し、結果を公表した。
■プライム感謝祭での売上向上には、商品同士の回遊施策を講じること
同調査は2024年10月19日・20日の2日間開催される「プライム感謝祭」に向けて、最適なAmazonマーケティング戦略計画の参考となるよう実施されたもの。
調査によるとプライム感謝祭で購入したユーザーの約70%は、プライム感謝祭当日に初回閲覧をしていることが判明したという。
また、プライムデー同様にプライム感謝祭期間中はページ回遊が増えることが判明したが、これはPV数が多いユーザーほど商品理解・ブランド理解が進み、CVRが上がり購買しやすくなるためだと同社は考察している。
特に、1回閲覧ユーザーに比べ3回閲覧ユーザーはCVRが約2倍になるため、商品同士の回遊性を上げる施策が重要とのことだ。
Hard Line(家電・PC周辺機器等)に関しては、6回閲覧まではCVRが上がり続けることがわかった。Hard Lineについては比較的購買金額が高くなるため、他のカテゴリに比べるとより深い商品理解・ブランド理解が必要と考えられるとしている。
そのため、回遊率を意識した商品ページ作りやストア構築、リターゲティング広告を行うことで、最低6回のPVを獲得できるような施策を行うことが売上創出のために重要とのことだ。
プライム感謝祭期間におけるPV回数とユーザー割合をみると、全体の約半分は1回しか閲覧しておらず、CVR2倍となる目安の3回以上閲覧したユーザーは全体の10%程度にとどまる結果に。
Hard Lineに至ってはCVRを上げるために6回以上閲覧が目安という結果が出ており、該当ユーザーは全体の3%程度存在したため、まだ売上増加の機会があると同社は考察している。
下図は年間に何回セールで同じメーカーのものを購入をするかの割合を示したグラフ(対象は1回以上)。
Amazonでは、プライムデー・プライム感謝祭・ブラックフライデーの大きく3つのビッグセールを開催しており、どのカテゴリにおいても年に複数回同じメーカーの商品を購入するユーザーは少ないことがわかる。
毎回のビックセールで年に複数回購入しているユーザーはごくわずかであるため、Amazon出店メーカーとして、プライムデー・プライム感謝祭・ブラックフライデーのどれか1回のみ参加というのは、機会損失につながっている恐れがあると同社は考察している。
ビッグセールでの購入ユーザーにおいて、各カテゴリにおける割合を調べたところ、ブラックフライデーで購入するユーザーが最も多いことがわかった。次いでプライムデーのみで購入したユーザーが多い結果に。
一方、プライム感謝祭でのみ購入したユーザーは2割以下となったが、昨年はセール自体の認知度が低かったこと、日数が短かったことが要因と同社は想定。
今回も「感謝祭でのみ購入するユーザー」の割合が一定あると想定すると、他のビックセールではなく、プライム感謝祭でしか獲得できないユーザーを取りこぼしなく施策を行う必要があるとしている。
これらの結果から、2回目となるプライム感謝祭に向けて、売上最大化を測るために、期間中も複数回商品ページを閲覧してもらうような施策を講じることが重要とのことだ。
<参考>
ウブン『「プライム感謝祭」期間中のユーザー動向調査』