山梨中央銀行とNTTドコモ(以下、ドコモ)は、太陽光パネルや蓄電池、ドコモが開発したエネルギーマネジメントシステム(以下、ドコモEMS)を活用したオンサイトPPA方式(※1)の電力供給に関する実証実験を、2025年3月31日まで実施すると発表した。
民間企業の店舗敷地内における、ドコモEMSを活用したオンサイトPPA方式の実証実験はドコモ初となるという。
■実証実験概要
同実証は、ドコモが保有する太陽光パネルや蓄電池等の設備を山梨中央銀行吉田支店の敷地に設置し同敷地内へ電力を供給する、オンサイトPPA方式で実施。
また、蓄電池の遠隔監視・制御にはドコモEMSを使用。ドコモEMSは、全国約300カ所に展開している再生可能エネルギーを活用した「グリーン基地局」や電力会社からの要請に応じて節電に取り組む「デマンドレスポンス(DR)」などの実現に活用されているという。
技術的な特徴として、各拠点の遠隔監視・制御に加え、分散配置された複数の蓄電池を電力調整量に応じて最適に選択・制御することが可能であり、再生可能エネルギーの有効活用や地域の電力安定化に貢献するとのことだ。
同実証においては、ドコモEMSの制御機能による電力のピークカット(※2)を行うことで、電気料金の低減や需給ひっ迫時の電力系統全体の安定化に関する効果検証を実施。
■各社の役割
山梨中央銀行は、ドコモから供給された電気を吉田支店敷地内で使用し、電気料金や温室効果ガス排出量の低減効果の検証を実施。
ドコモは、設置した太陽光パネルによって発電・蓄電した電気をドコモEMSによって遠隔制御しながら、山梨中央銀行吉田支店に供給するための機器動作検証や将来的なオンサイトPPAの本格展開を見据えた計量・課金システムの動作検証を実施するとのことだ。
(※1)PPAは、Power Purchase Agreement(電力購入契約)の略で、発電事業者が需要家の建物屋根(敷地内)に太陽光発電設備を設置し、所有・維持管理をした上で、発電した電気を需要家に供給する仕組み
(※2)電力の使用量が少ない時間帯に電気を蓄電池に貯めておき、電力の使用量が多い時間帯(ピーク時間帯)に蓄電池から電気を使用することによって、電力系統から購入する電気の最大電力を抑制すること