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イヤクルは、10月1日から導入される選定療養制度に関して、111名の薬剤師を対象にした意識調査を実施し、その結果を公表した。
選定療養制度は、医療費の適性化と後発医薬品の使用促進を目的に、10月1日から導入される制度。
同制度では、特許が切れた先発医薬品(長期収載品)を選んだ場合、患者が一部負担する仕組みが導入され、医療上の特別な理由がない限り、長期収載品を希望した患者は差額の4分の1を自己負担することになるという。
薬剤の使用量において、長期収載品が一定割合を占めることから、この制度変更の影響は幅広いとされている。特に、後発医薬品の使用率が低い15歳未満の患者においては、選定療養費がこども医療や乳幼児医療にも影響を与える可能性が高いと指摘されているとのことだ。
■選定療養制度について薬剤師の99%が認知、約8割が理解
同調査で、選定療養制度についての認知度を聞くと、薬剤師の99.1%が認知しており、78.4%が理解していると回答。
同制度導入に向け、どのような準備をしているか聞くと、「患者用の説明資料作成」が63.1%、「対象医薬品リストの確認」が53.2%、「スタッフへの教育・研修」が47.7%と続いた。
また、自由記述で聞くと以下のような回答が挙げられた。
■選定療養制度導入により「患者説明の負担増」「薬局の業務負担の増加」が懸念点に
同制度の導入によって懸念されることを聞くと、薬剤師の27.9%が「患者説明の負担増」「薬局の業務負担の増加」を最も懸念していると回答。また、21.6%が「後発医薬品への切り替えによるトラブル」を挙げており、患者とのコミュニケーションにかかる負担が増えることが予測されている。
また、同制度の導入によってどのような影響があると思うか聞くと、「後発医薬品の使用促進」が65.8%、「薬剤費の抑制」が47.7%という結果に。
さらに自由記述では以下のような回答が挙げられた。
■選定療養制度の導入についてポジティブ派が約4割、ネガティブ派が約3割
同制度の導入をどのように感じているか聞いたところ、「ポジティブ」派が36.9%、「どちらでもない」が32.4%、「ネガティブ」派が30.6%、という結果に。
自由記述欄では、「医療費抑制には良い制度だが、現場の負担増が心配」「患者の希望で先発品を選ぶ場合、説明が難しい」といった意見が寄せられ、制度に対するポジティブな期待とネガティブな懸念が交錯していることが明らかになった。
【調査概要】
調査対象:薬剤師111名
調査期間:9月9日~14日
調査方法:オンラインアンケート
<参考>
イヤクル「選定療養制度の導入により、薬剤師の業務負担増加と医療費抑制の両面が浮き彫りに」