JR東日本は、新幹線にドライバレス運転を導入することを発表した。
同社は、新幹線におけるドライバレス運転を上越新幹線に導入し、次に北陸新幹線、最後に東北新幹線と順次拡大予定。
自動運転を導入することにより、安全性・輸送安定性の向上や効率的な運転による省エネルギー効果などが期待できるとしている。また、ドライバレス運転の導入により、需要に応じた柔軟な列車運行ができるほか、乗務員がさまざまな業務に従事できるようになるという。
■新幹線自動運転の導入計画
2028年度に長岡駅～新潟新幹線車両センター間（60.8キロメートル）の営業列車と回送列車の自動運転（GOA2）および2029年度に新潟駅～新潟新幹線車両センター間（5.1キロメートル）の回送列車のドライバレス運転（GOA4）導入を目指し、今回地上設備・車両改造等の工事に着手。
2030年代中頃には、東京駅～長岡駅間に自動運転（GOA2）を導入したのち、東京駅～新潟駅間の営業列車のドライバレス運転（GOA3）および回送列車のドライバレス運転（GOA4）導入を目指し、検討を深度化していくとしている。
将来的には、北陸新幹線および東北新幹線においても、自動運転の導入を目指し検討を進めるとのことだ。
■ドライバレス運転導入に向けた研究開発
同社は、ドライバレス運転の導入に向けて、乗務員が担っている業務のシステム化を進めるため、自動でダイヤ通りに列車を運行するための装置や異常を自動で検知する装置など、さまざまな研究開発に取り組み、実用化を目指しているという。
（1）最適な運転パターンで運行する装置の開発
ドライバレス運転に必要となる加速・減速・定位置停車のほか、臨時速度制限や臨時停車等にも対応し、自動でダイヤ通りの走行や効率的な省エネルギー運転を行うための研究開発を進めている。2019年度からE956形式新幹線電車（ALFA-X）にて、走行試験を実施。
2028年度の自動運転（GOA2）導入に合わせた装置の使用開始を目指しているとのことだ。
（2）列車の異常な振動を検知する機能の開発
新幹線のさらなる安全性向上のため、台車の異常を検知する既存のモニタリング装置を活用し、走行中の異常な振動を検知した場合、乗務員に代わり自動で緊急停止させる機能の研究開発を進めているという。
2029年度のドライバレス運転（GOA4）導入に合わせた同機能の使用開始を目指すとしている。
