出光興産と出光エナジーソリューションズは、白老油脂、ナラサキ石油、阪神内燃機工業との協力の下、北海道で使用済み食用油を活用したバイオ混合燃料による船舶運航試験を実施したと発表した。
同試験では、FAME（脂肪酸メチルエステル）を24%混合したバイオ燃料を使用し、2023年9月から2024年6月までの約10カ月間、寒冷地での運航を行ったとのことだ。
バイオ混合燃料は、従来の船舶燃料に比べてCO2排出量を約20%削減できる効果が期待されているが、寒冷地での低温流動性や長期使用による酸化安定性が課題となっていたという。試験結果により、既存燃料と設備・運転条件を変えずに、北海道の厳しい環境でも問題なく運航できることが確認された。
2023年2月の苫小牧港での小型船舶を使用した試験で低温流動性の課題はクリアされ、今回の試験では、より大きな船舶での長期間の運航において酸化安定性に問題がないことも確認されたという。運航終了後の主機関の検査でも問題が見られず、実用化に向けて大きく前進したとしている。
出光興産は、今回の運航試験で得た知見を基に、船舶用バイオ混合燃料の実用化を北海道以外にも広げ、エネルギーの地産地消やCO2排出量削減を推進していくとのことだ。