エア・ウォーターは、セブン-イレブン・ジャパンと、宮城県と山形県の一部店舗で、積雪地のコンビニエンスストアに対応した垂直ソーラー発電システム「VERPA(ヴァルパ)」の共同実証運用を開始することを発表した。

同実証は、セブン-イレブン迫佐沼北方店(宮城県登米市)、セブン-イレブン蔵王みはらしの丘店(山形県山形市)の2店舗で実施するという。

セブン-イレブン迫佐沼北方店/セブン-イレブン蔵王みはらしの丘店

セブン-イレブンはこれまで、店舗運営に伴うCO2排出量削減の取り組みとして、店舗屋根上への太陽光発電パネルの設置を進めており、全店舗のおよそ4割に当たる約9,000店舗への設置を完了(2024年2月末時点)。

一方、積雪等による影響で十分な発電効果が得られないエリアでの導入は難しく、解決策の検討を続けてきたという。

同社はドイツのNext2sunと、駐車場や緑地・農地などと併用可能な垂直ソーラー発電システム「VERPA」を共同で開発。積雪・雹・黄砂・花粉・落葉・鳥による落石や糞などの被害の懸念が不要であり、反射光は足元に落ちるため周辺住民からの苦情リスクもないとしている。

「VERPA」は、地表面からモジュール最下部までの高さを2メートル以上確保しているため、保安用の立ち入り禁止のフェンスが不要となり、人々が行き来する生活圏で共存することが可能。必要面積がわずかで済むため導入が容易で、工作物として市街化調整区域にも設置できるとのことだ。

また、高さ制限が必要な屋根構造を持たないため、貨物自動車やハイルーフ車両なども利用する道路沿いの商業施設(ロードサイド店舗)の駐車場に適しているという。

同実証では「セブン-イレブン迫佐沼北方店」と「セブン-イレブン蔵王みはらしの丘店」の駐車場に景観対応型の「VERPA」を設置。積雪地のコンビニエンスストア用の自家発電設備として、両面受光型の垂直ソーラー発電システムの導入することで、経済的効果とCO2削減性能を示すとしている。

得られる電力は同店舗で全量消費されるが、災害時や停電時には非常用電源として活用できる設計だという。今回の導入による両店舗のCO2排出量は、1店舗当たり約15%の削減を見込んでいるとのことだ。

■共同実証運用の概要

実証期間
2024年8月~2027年3月

実証内容
ロードサイド店舗、積雪地のコンビニエンスストアでの垂直ソーラー発電システム導入の有効性を確認(屋根置き型同等以上の発電性能、フリーメンテナンス性、耐荒天候、店舗利用者の評価などを検証)

実施場所
セブン-イレブン迫佐沼北方店駐車場(宮城県登米市迫町佐沼字新大瀬144)
セブン-イレブン蔵王みはらしの丘店駐車場(山形県山形市みはらしの丘1丁目4番地2)

設置数
各24ユニット(モジュール総発電能力25.2kW-DC/パワコン出力9.9kW-AC)

発電量
1店舗あたり年間目標20,000kWh以上

年間CO2削減量
1店舗あたり9.42t-CO2以上(東北電力のCO2排出係数0.471kg-CO2/kWhで計算)