良品計画は、9月6日に「無印良品 唐津」(佐賀県唐津市)、9月27日に「無印良品 日田」(大分県日田市)をオープンすることを発表した。
2店舗は、無印良品初の木造建築店舗であり、大規模木造店舗の「ZEB」認証(※1)を取得。また、佐賀県唐津市、大分県日田市のそれぞれの市と「地域防災に関する連携協定」を結んでおり、地域防災力の向上に貢献するとのことだ。
■無印良品初の木造建築店舗、大規模木造建物で「ZEB」認証を取得
同社は、グループ企業であるMUJI HOUSEが設計し、「無印良品の家」でも採用している耐震性能に優れた木造ラーメン構造である「SE構法」により大規模木造店舗を実現するとともに、省エネ・創エネ技術を組み合わせることによって「ZEB」評価を取得。
高性能断熱材を含む木造の屋根や外壁の仕様および人感・CO2センサーで換気量や温度を最適に管理できる高効率な空調設備により、必要なエネルギーの総量を削減。同時に、太陽光発電と蓄電池を活用し、施設内で使用するエネルギーを創り出すことで、各店舗空間における一次エネルギー消費量(※2)のゼロ化を実現するとしている。
また、無印良品の木造店舗は、従来の無印良品の鉄骨造店舗に比べて、資材の製造における CO2排出量を44%抑えることが可能。なお資材製造から施工、修繕、廃棄・リサイクルまで含めたライフサイクル全体(使用段階除く)では、従来の鉄筋造店舗よりも35%抑えるとのことだ。
■防災設備の提供
同社は、唐津市、日田市とそれぞれ「地域防災に関する連携協定」を締結。「無印良品 唐津」「無印良品 日田」では、各市で災害が発生した際に、各店舗に設置している防災設備を提供するという。災害時には店舗運営の復旧に努め、店舗の商品を各市民が購入できる体制を速やかに整えるとのことだ。
<防災設備紹介>
(1)かまどベンチ
レンガ囲いの土台の上に座板を乗せたもので、通常時はベンチとして使用するが、災害時には「かまど」として使用可能。「無印良品 日田」のかまどベンチは、日隈小学校の児童と製作したという。
(2)マンホールトイレ
下水道と直結できるマンホールトイレを備えており、災害時に迅速にトイレ機能を確保することが可能。
(3)被災者向けの電子通信機器用充電ステーション
各店舗の屋根には太陽光パネルを設置しており、被災時にはスマートフォンなどの充電が可能なステーションを開設できる。
■唐津市、日田市内での資源循環を目指す
同社は、回収した服をリユース、リサイクルした「ReMUJI」商品を各店でオープンから期間限定で販売。また、古本の回収を行い、回収した古本は唐津市、日田市内の児童支援施設などに寄付予定だという。
■九州産の木材を活用した店舗
木材を通した地域コミュニケーションや環境配慮の観点から、店内の内装や休憩スペース などの一部には九州産の木材を使用。また、店内のベンチの一部は、唐津市・日田市産の切株、丸太を使用しているという。
■店舗概要
店舗名:無印良品 唐津
所在地:佐賀県唐津市町田2030-1
営業時間:10:00~20:00
売場面積:1971.55平方メートル
店舗名:無印良品 日田
所在地:大分県日田市大字庄手字堤ノ外648-6
営業時間:10:00~20:00
売場面積:2133.47平方メートル
(※1)ZEB はネット・ゼロ・エネルギー・ビルの略で、建物で消費する年間の一次エネルギーの収支をゼロかマイナスにすることを目指した建物
(※2)空調や照明、昇降機などの設備機器のエネルギーを熱量に換算した値のこと