医師の働き方改革後も8割超が「業務時間に変化なし」 5人に1人が1日の休憩時間30分未満

Japanese man in medical clothes

メンタルヘルステクノロジーズは、メディカルアパレルの企画・販売を行うクラシコと共同で、医療機関で働く医師419名を対象に「医師の働き方とユニフォームに関する調査」を実施し、その結果を公表した。

■5人に1人が1日の休憩時間30分未満

1日の業務時間の中で休憩時間を取れるタイミングは、「昼休み」が最も多く81.6%、「外来診療、回診、手術、会議等の前後の空き時間」が38.2%という結果に。

しかし、1日あたりの合計休憩時間の長さについては、10分未満、10分以上30分未満の人が合わせて20.5%と、約5人に1人が労働基準法で定められた1時間以上(フルタイム勤務の場合)の休憩時間を確保できていないことが明らかとなった。

勤務1⽇あたりの合計休憩時間は、約5⼈に1⼈が30分未満で規定未満

■今年4⽉の医師の働き⽅改⾰の新制度施⾏後8割以上が「業務時間に変化なし」と回答

4月から始まった働き方改革により、業務時間・休憩時間に変動があったかどうかを聞いたところ、「業務時間が減った」と回答した人はわずか4.8%で、むしろ「業務時間が増えた」と回答した人は11.2%で約1割を超えた。新制度があるにも関わらず、大半の医療現場において業務時間の変化は起きていないことが分かった。

医師の働き⽅改⾰の新制度施⾏後、業務時間「変わらない」が8割超

医師のコメントによると、「業務時間は変わらない」と回答した人の中には、開業医や非常勤の立場である、超過勤務がない等の理由も挙げられたという。

しかし、働き方改革の対象者である人からは、患者の数が減るわけでも人員が増えるわけでもないため、業務時間が変わらないという声が多く寄せられた。むしろ、当直明けの半休が取得できなくなったり、休憩時間が減ったりするなど、総合的な負担はあまり変わらないことが伺える結果となった。

医師の回答

■働きやすい環境づくりのための院内設備・福利厚生

より働きやすい環境づくりのために、どのような院内設備・福利厚生が望ましいか尋ねたところ、「休憩室の福利厚生の充実化」(51.1%)、「デザイン・機能に優れたユニフォームの支給」(45.3%)が上位を占めた。

働きやすい環境づくりのために嬉しい院内設備・福利厚⽣、TOP2は「休憩室」「⽀給ユニフォーム」の強化

■ユニフォームに求められる要素は「軽さ」や「着心地」

どのようなユニフォームであれば、業務時間および休憩時間の過ごしやすさが向上するかを尋ねたところ、「ユニフォームが軽い」(54.2%)、「肌触りがやわらかい」(49.2%)、「ストレッチ素材」(45.8%)が上位3つを占めた。長時間着用するユニフォームにおいて、軽さや着心地の良さが重視されていることが分かった。

ユニフォームに求めることは軽さや着⼼地

診療科別に見ると、ユニフォームに求められる要素に違いが見られた。特に、整形外科・救急科では、「ストレッチ素材」「制汗機能・速乾機能がある」といった、動きやすい機能性が求められており、救急科では「防臭機能がある」という回答が全体平均の約2倍(62.5%)に。

一方、外科・産婦人科では「抗菌機能がある」、精神科・麻酔科では「肌触りがやわらかい」が重視される結果となった。

項目別、ユニフォームに求めること

<参考>
メンタルヘルステクノロジーズ、クラシコ『医師の働き⽅とユニフォームに関する調査

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