アート引越センターのシンクタンクである『0123引越文化研究所』は、直近5年で引越をした全国20代~60代の男女400名を対象に、新居探しや引越時の防災意識に関するアンケートを実施し、その結果を公表した。
■新居探しの際に53.8%の人が防災を考慮
新居選びの際に、防災について考慮したかを聞いたところ、「とても考慮した」が16.8%、「どちらかと言えば考慮した」が37.0%と、半数以上の人が新居選びの際に防災に考慮していることが分かった。
防災に考慮したと回答した人に対して、具体的に考慮したポイントを聞いたところ、「ハザードマップの確認」が55.8%で最も多く、次いで「建物の耐震性」が52.1%、「築年数、構造(鉄筋・木造など)」が46.5%と続いた。
新居へ引越の際に、防災の観点を取り入れて家具のレイアウトの決定・変更をしたかについては、地震を意識していることを感じさせる「リビングや寝室に背の高い家具や大きな家具を置くのをやめた(レイアウトの見直しをした)」が25.8%で最多に。
また新居へ引越の際に、防災の観点を取り入れて生活スタイルを変更、新たな家具を導入した経験がある人の中では、地震を意識したと想定される「つっぱり式の家具に変えた」が20.5%で最多となった。
次に引越をするきっかけの中に、「災害・防災の観点」が入っていたかを聞いたところ、39.5%が「はい」と回答。
具体的なきっかけについては、「テレビで大きな被害を見たから」が51.3%で最多となり、実際に起きた災害の様子やその被害を目の当たりにしたことが引越を考えるきっかけの1つになっていたことが明らかに。
■防災に関心があると回答した人は70.8%。関心を持つきっかけとなったのは1位「東日本大震災」、2位「水害の報道」
引越に限らず通常時の基本的な防災意識についてはどうかを確認するために、防災への関心度を聞いたところ、約7割が関心があると回答。
防災について関心を持ったきっかけは、「東日本大震災」が51.6%で最多。次いで「豪雨・大雨などの水害の報道を見て」が38.2%、「テレビで災害の特集をやっているのを見て」が30.0%と、災害報道がきっかけになったという声が続いた。
■現在取り組んでいる防災・災害対策は、「防災用品を持っている」が37.5%で最多
現在取り組んでいる防災・災害対策を聞いたところ、有事の際に直接的に役に立つ「防災用品を持っている」が37.5%で最多に。
また、何か防災用品を準備しているかどうかを聞いたところ、56.5%の人が準備していると回答。
防災用品にかけた費用は「10,000円以下」が34.5%で最も多く、まずは手軽に揃えられるものから準備していること分かった。
なお、防災用品を持っている人の65.9%は防災用品を定期的に見直していると回答しており、半数以上の人が購入後もいざという時に備えて防災用品を見直していることが分かった。
実際に持っている防災用品を聞いたところ、「飲料水」「食料」は約7割の人が備えていることが分かった。
次いで「懐中電灯」が56.2%、スマホの利用に欠かせない「モバイルバッテリー」が54.4%と飲食料と電気にかかわる用品が上位に。
一方、「防寒具」は34.5%が回答しているのに対し、「暑さ対策グッズ」は12.4%と低い数字となっており、これまで大きな災害が起こった時期が冬に多いことも回答に差が出た要因ではないかと同社は考察している。
■防災用品を準備していない理由は「何を準備してよいかわからない」「準備が面倒」
防災用品を準備していないと回答した人に対して、その主な理由を聞いたところ、「何を準備してよいかわからない」が38.5%で最多に。
次いで「準備するのが面倒だから」が24.7%で多く、どのようなものを用意すべきか、またそれがどこで手軽に準備することができるのかが分かれば、今以上に防災に関して意識する人が増えるのではないかと同社は考察している。
【調査概要】
調査方法:インターネット調査
調査対象者:直近5年で引越をした全国20代~60代の男女
調査人数:400名
調査時期:2024年7月下旬
<参考>0123引越文化研究所『新居探しや引越時の防災意識に関するアンケート』