キリンビバレッジとキリングループロジスティクスは、三菱重工業が研究開発を進める「ΣSynX(※)」によって自律化・知能化したソリューションを活用した、飲料倉庫への入出庫およびトラック荷積み・荷降ろしの自動化に関する共同実証を開始したと発表した。
なお同実証は、2026年3月までに完了する予定だという。
物流業界では「働き方改革関連法」に基づき、トラックドライバーの運転業務の時間外労働の上限規制が適用され、労働時間管理が厳格になることで、物流の停滞が懸念される「2024年問題」に直面している。
荷積み・荷降ろし等の倉庫作業に起因する荷待ち時間もその要因としてあげられることから、物流オペレーター不足や重量物ピッキングへの対策といった倉庫作業の効率化が課題となっている。
一方で、キリングループの倉庫における入出庫作業は、有人フォークリフトや作業者による手作業が中心となっており、オペレーターのノウハウや熟練技術によって安全かつ効率的に行われているという。
同実証では、三菱重工が研究開発を進める「ΣSynX」を適用したソリューションの一環として開発中の新型AGF(無人フォークリフト)を活用し、トラックの荷降ろしから荷積みに至るまでの一連の荷役作業を自動化することを目指している。
トラックの荷積み・荷降ろしに加え、倉庫作業での適切な荷揃え、配置替えや保管状況に応じた走行ルート変更、高効率の保管方法など、柔軟な自律運転と安全な人機協調作業を実現することで、荷役作業の改善、「2024年問題」の対応を加速していくとしている。
■共同実証の概要
期間:2024年8月~2026年3月
場所:三菱重工業 Yokohama Hardtech Hub内 実証施設 「LogiQ X Lab」(神奈川県横浜市)、三菱重工業 神戸造船所内実証施設、キリングループロジスティクス 西名古屋支店、尼崎支店等
内容:
・入出庫ソリューションの導入を想定した、有人作業を含めた運用プロセスの導出
・トラックへの荷積み、荷降ろし用無人フォークリフト導入を想定した、有人作業を含めた運用プロセスの導出
・有人フォークリフトと無人フォークリフトの協働作業時における、安全に関する考え方、ルール、運用条件などの導出
(※)さまざまな機械システムを同調・協調させる三菱重工の標準プラットフォームであり、機械システムの知能化により最適運用を実現するデジタル・テクノロジーを集約したもの