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トモノカイは、文部科学省が教員の処遇改善を目指し教職員給与特別措置法(給特法)の改正案を示したことを受け、全国の教員400人に意識調査を実施し、結果を公表した。
■調査結果(1)改正案への考え最多は「教職調整額10%以上では足りない」、負担軽減求める声も4割
教員の残業代の代わりに基本給の4%を上乗せする「教職調整額」を10%以上にすることなどを盛り込んだ案で処遇改善を目指す今回の給特法改正案について最も近い考え方を聞いたところ、「『教職調整額10%以上』では足りない」と答えた人が最多で26.3%となった。
「『教職調整額10%以上』より具体的な負担軽減策をメインに盛り込んでほしかった」や「人手不足を先に解消してほしい」、「『将来的に残業を月20時間程度に削減』の内容が具体的ではない」、「週休二日の確保を明示してほしい」といった負担軽減を求める意見が計41.9%という結果に。
■調査結果(2)外部サポート活用の教員、84%が「負担が減った」
これまで学外の人材を利用するような外部サポート(民間企業や団体が提供するサービス)を活用したことがあるのは51人で、活用したのは「部活動運営・指導の委託」が62.7%で多く、次いで「授業補助スタッフの派遣」が31.3%、「放課後の生徒の指導支援」が23.5%と続く。
サポートを活用後、教員の負担が減ったかどうかの質問には、「自分の負担は減っていないが同僚の負担は減った」、「心理的な負担が減った」、「残業時間が短くなり負担が減った」と、計84.3%が負担軽減を実感する結果に。
■調査結果(3)サポートが活用できなかった理由最多は「予算が足りない」
学外の人材を利用するような外部サポートを活用しようとしたことはあるが、これまで活用できなかった、あるいは検討が進んでいないと答えたのは47人。
その理由を聞いたところ6割近くの57.4%が「予算が足りない」回答した。また、「指導やサポートの質に不安がある」は38.3%、「校外との連携に不慣れでむしろ負担が増えてしまいそう」は34%と、慎重な姿勢が見られる結果に。
回答者の400人全員に聞いた、学校現場で外部サポートの活用が進むためには何が必要かという質問にも、「サポートに費やせる学校予算の増額」と答えた人が最も多く62.8%となった。
なお回答した教職員の内訳は、管理職(校長、副校長、教頭)が7%、主幹教諭・指導教諭が9.8%、教諭が83.3%。教員歴は5年未満が3.3%、5年以上10年未満が5.3%、10年以上20年未満が15.8%、20年以上が75.8%となっている。
【調査概要】
調査対象:全国の国公立・私立の中学校と高等学校で勤務する教職員
調査期間:2024年7月24日~26日
調査方法:インターネットリサーチ
調査主体:トモノカイ
有効回答数:400サンプル
※小数点2桁目以降切り捨て。
<参考>
トモノカイ『教職員給与特別措置法(給特法)の改正案を受けての意識調査』