定額減税、約6割が「手取り額の増加」に期待せず 約9割の運用担当者が「運用に負担」を感じている 「運用方法を変えるべき」との声も

MS-Japanが運営する管理部門・士業のためのビジネスメディア「Manegy(マネジー)」は、「定額減税に関する実態調査」を実施し、その結果を公表した。

■手取り額の増加は「57.8%」が期待せず

定額減税による「手取り額の増加」に期待しているか聞いたところ、過半数の57.8%が「期待していない」と回答。

また、「期待していない」派、「期待している」派のそれぞれの意見として、下記のような回答があがった。

定額減税に「期待していない」理由(一部抜粋)
・額が大きくないため効果を実感しにくい(内部監査)
・また増税されたら意味がない(総務)

定額減税に「期待している」理由(一部抜粋)
・毎月の控除が負担だったため嬉しい(経理)
・手取り増加分を生活費等に充てられる(事務所勤務スタッフ)
・増税ばかりだったから(人事)

定額減税による「手取り額の増加」に期待しているか

続いて、「減税された分のお金の使い道」を聞いたところ、1位は「貯金」、2位は「投資・運用」という結果に。「趣味・旅行など」の娯楽での使用はわずか5.7%であり、減税分のお金の使用については保守的な姿勢が明らかになった。

また、ランキング外の「その他」の意見としては、「特に決めていない」「減税された金額は物価高で消えてしまう」「災害支援団体に寄付する」などがあがった。

減税された分のお金の使い道

■「63.6%」が今後も定額減税が「継続されるべき」と回答

定額減税の今後の継続の是非に関する調査では、63.6%が「継続されるべき」と回答。定額減税による手取り額増加に57.8%が期待していないものの、「継続されるべき」と回答した人数の方が多いことから、国民は何かしらの経済的施策を必要としていることが伺える結果に。

定額減税の今後の継続の是非

■「88.0%」が運用に負担、「74.4%」が運用方法に不満

定額減税の制度運用担当者に対し、制度運用に関する調査を実施したところ、9割が定額減税の運用に負担を感じていることが分かった。

定額減税の運用に負担を感じているか

また、運用方法の満足度については74.4%が運用方法に不満を抱えている結果に。「満足していない」派、「満足している」派からは、それぞれ下記のような意見があがった。

運用制度に「不満」な理由(一部抜粋)
・内容が複雑でわかりにくく、事務負担が大きい(経理)
・もっと良いやり方があったはず(年末調整、マイナンバーカードを利用した直接給付 等)(経理)
・準備期間が短すぎる(人事)
・企業へ丸投げせず、国が対応すべきだと思う(総務)

運用制度に「満足」な理由(一部抜粋)
・特に不満はない(その他管理部門)
・そこまで難しい内容ではなかった(士業)
・スケジュール通りに対応できた(人事)
・使用システムに定額減税機能が搭載されたため、従業員への説明以外にほぼ特別対応がなかった(経理)

運用方法の満足度

■「49.2%」が「運用方法を変えるべき」と回答

定額減税の制度運用担当者に対しても、定額減税継続の是非について聞いたところ、「継続」に賛成派は63.7%と半数以上を占めたものの、うち49.2%は「運用方法を変えて継続されるべき」と回答する結果に。

運用方法には改善の余地があると多くの担当者が感じていることが明らかになった。

定額減税継続の是非

【調査概要】
調査方法:WEBアンケート
調査対象:全国の男女
調査テーマ:「定額減税」に関する実態調査
有効回答数:472名
調査実施日:2024年6月18日~6月25日
調査主体:MS-Japan
※同調査のグラフ内の構成比は、小数点以下第2位を四捨五入しているため、合計しても必ずしも100とはならない場合がある。

<参考>MS-Japan調べ定額減税に関する実態調査

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