東日本旅客鉄道とジェイアール東日本物流は、「物流の2024年問題」や「CO2排出量削減」など、社会的課題の解決の一助を担うことを目的に、新幹線荷物輸送「はこビュン」による高速・多量輸送の事業化検証を開始すると発表した。

新幹線荷物輸送「はこビュン」による高速・多量輸送の事業化検証を開始

「はこビュン」は、速達性・定時性に優れ、環境にも優しいという鉄道の強みを活かし、JR東日本グループが展開している荷物の輸送サービス。

今回、多量輸送を定期的なサービスとして事業化することを見据えた、実際のニーズの確認やオペレーションの検証などを実施するという。

輸送イメージ

両社は、新幹線の特性を活かして地方と都心をスピーディに繋ぐとともに、新たなパートナーとの連携を進めることで、社会的な課題解決の一助となることを目指すとしている。

また、今後もこれまでのトライアルで得た知見を活かしつつ、輸送の幅を広げていき、2025年度中の事業化に向けて取り組むとのことだ。

■検証項目

(1)旅客営業列車への貨客混載による高速・多量輸送の事業化に向けた検証
旅客営業列車を活用した貨客混載輸送による、高速・多量輸送の事業性について確認する。

(2)客室輸送専用台車を活用した荷扱い(荷物搬出入、積み下ろし、荷捌き)の検証
40箱/列車(※)を超える輸送ニーズへの対応として、客室輸送専用台車の活用を基本に、ホーム上での安全に配慮した効率的な荷扱いを確認する。

(3)新たなパートナーとの連携による輸送の検証
新たなパートナーとの連携による、新幹線を活用した高速・多量荷物輸送の新しい輸送ニーズについて確認する。

■概要

実施日:7月12日、19日、9月6日、13日、20日
※上記実施日以降も、引き続き事業化検証を実施予定
輸送列車:東北新幹線 臨時列車 はやぶさ12号(E5系10両編成)
輸送区間:新青森駅8:29発→東京駅11:44着
輸送形態:荷物輸送1~2号車、旅客発売3~10号車
荷量:最大300箱程度
輸送品:引越家財、鮮魚ほか
※輸送列車・搭載号車等は変更となる場合がある、また荷量は荷姿・サイズにより変動する。

(※)フル規格新幹線(E5系の新幹線等)の車内販売準備室における1列車あたりの積載上限