学研ホールディングスのグループ会社ベンドは、同社が運営する「スキルアップ研究所」にて「IT業界のジェンダーに関する調査」を実施し、結果を公表した。
■IT業界就労経験者の7割が「女性幹部の割合は10%以下」と回答
「職場にいる女性幹部の割合はどのくらいか」という質問に対し、計67.6%が職場の女性幹部の割合は10%以下だと回答。中でも、0%と回答した人が全体の2割にのぼっている。
反対に、幹部の過半数が女性だという回答は全体の2.8%にとどまる結果に。
■女性が直面している課題は育児と昇進
「IT業界で働く女性が直面している一番大きな課題は何だと思うか」という質問に対し、46.9%の人が「拘束時間が長く、育児との両立が難しい」と回答。
また、34.1%の人が「幹部層に女性が少なく、昇進も難しい」と回答しており、こちらも重要な問題であることがうかがえる。
この結果に同社は、IT業界において女性が育児との両立で難航していることが、昇進の遅れの一因であると推察している。
■企業はリモートワークや出産・育児手当を拡充している
「職場では女性の働きやすさ改善のために具体的に何をしているか」という質問に対し、53.7%の人が「出産・育児関連の制度の拡充」と回答した。
また、24.4%の人が「女性専用の交流コミュニティを増やす」、12.2%の人が「リモートワークやフレックス制度など柔軟な働き方を採用している」と回答。
■男女間で年収格差への認識は異なる
「IT業界における女性の年収は男性の年収よりどのくらい低いと感じるか」という質問に対し、男性の51.5%が、IT業界の男女間の年収差は0~50万円だと回答しており、最も割合が高い階級となっている。
また、女性も36.0%の人が年収格差は0~50万円だと回答しており、最も割合が高い階級となった。
しかし、年収格差が100~150万円あると回答した女性の割合が男性に比べてかなり高いことから、性別による年収格差は一定存在すると同社は推測している。
【調査概要】
調査名:IT業界のジェンダーに関する調査
対象者:IT業界に従事した経験がある人(現職不問)
対象地域:全国
調査方法:インターネット調査
調査期間:2024年5月16日~2024年5月23日
回答数:179
<参考>
スキルアップ研究所調べ『IT業界のジェンダーに関する調査』