年収に満足している会社員は3割未満 人事評価に対する希望と実態の乖離が明らかに 「働く人の本音調査2024」

リクルートマネジメントソリューションズは、従業員規模が50名以上の企業に勤める25歳~59歳の正社員8,376名に対し、「働く人の本音調査2024」を実施し、働く上での「お金・機会・人間関係」にまつわる分析結果を公表した。

■年収に満足している人はわずか27.2%、一方で満足していない割合は45.2%

仕事や会社に対する考えの中で、今の年収にある程度満足している人は27.2%と全体の3割に満たな結果に。一方で、満足していない人は45.2%に及んだ。

図表1:今の年収に満足しているか

また、年収が比較的高いと考えられる50代であっても、現在の年収に満足している人はわずか29.2%だった。

図表2:(50代)今の年収に満足しているか

■人事評価は機会よりも給料に反映してほしい人が75.0%と多数派

次に、仕事や働き方に関する考えについて、「A.給料(月給や賞与の増減)」と「B.仕事の機会(希望する仕事が任されたり、異動希望が叶うこと)」のどちらに人事評価をより反映してほしいと思うかを聞いた。

その結果、75.0%の人が「人事評価は、機会よりも給料に反映してほしい」と希望していることが明らかに。

図表3:「A.給料(月給や賞与の増減)」と「B.仕事の機会(希望する仕事が任されたり、異動希望が叶うこと)」のどちらのほうに、人事評価をより反映してほしいと思うか

また、人事評価がより反映されているのは、「A.給料(月給や賞与の増減)」と「B.仕事の機会(希望する仕事が任されたり、異動希望が叶うこと)」のどちらか聞いたところ、人事評価が給料に反映されていると回答した人は、全体の51.3%に留まった。

同結果から、人事評価に対する希望と実態に乖離がある人が少なからず存在することが分かった。

図表4:会社では、人事評価がより反映されているのは、「A.給料(月給や賞与の増減)」と「B.仕事の機会(希望する仕事が任されたり、異動希望が叶うこと)」のどちらに近いか

■希望と実態に乖離がある人は、そうでない人と比べてワーク・エンゲージメントが低い傾向

図表5は、人材マネジメントの希望と実態に関して、それらが合致している群と乖離している群間でワーク・エンゲージメントスコアの平均値の違いを示したデータである。

同データから、給料と仕事の機会だけでなく、他の質問項目においても、希望と実態が合致している人たちはワーク・エンゲージメントが統計的に有意に高いことが分かった。

またそれに伴い、人事評価を機会よりも給料に反映する会社の方が、ワーク・エンゲージメントが高い従業員の割合が大きいのではないかと同社は考察している。

図表5:人材マネジメントの希望と実態の合致/乖離によるワーク・エンゲージメントスコアの平均値の違い

図表6は、回答者一人ひとりの回答を分析し、10種類のモチベーション・リソースのうちの上位3位までを割り出し、集計したデータである。

同社の分析によると、金銭(38.6%)よりも、安定(46.4%)や統率(41.9%)、注目(40.3%)の方が高い数値になり、今回の回答者が特別金銭を重視しているわけではなく、金銭以上にこれらの要素でモチベーションを掻き立てられる人が多いと伺える。

一方で、年収に満足している人が3割未満で、人事評価を機会より給料に反映してほしいと望む人が多いことを踏まえると、回答者の給料に対する不満は根強いものであると同社は考察している。

図表6:モチベーション・リソースにおいて、それぞれの項目が上位3位までに入っている人の割合

■人間関係がワーク・エンゲージメントに影響している可能性がある

図表7は、人間関係に関する項目を肯定した群と否定した群のワーク・エンゲージメントスコアの平均値の違いを示したデータである。

同データから、今の会社に、仕事とは関係のない共通の話題・趣味のことで一緒に盛り上がれる上司・同僚がいる人、キャリアについて何でも相談できる上司・同僚がいる人は、そうでない人よりも、ワーク・エンゲージメントスコアが明確に高いこと読み取れる。

図表7:上司・同僚に関する項目の肯定/否定によるワーク・エンゲージメントスコアの平均値の違い

【調査概要】

調査概要

<参考>リクルートマネジメントソリューションズ「働く人の本音調査2024

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