デンソーは、京セラと共同で、既存工場での自家発電率を高める取り組みとして、2024年10月から2025年9月まで、デンソーの西尾製作所にて軽量太陽光発電システムの実証実験を行うことを発表した。
デンソーは2035年度までにクレジットを活用しない完全なカーボンニュートラルの達成を目指し、「モノづくり」「モビリティ製品」「エネルギー利用」の3つの領域からさまざまな取り組みを進めているという。
「モノづくり」においては徹底した省エネを行うとともに、太陽光などの自家発電を増設し、化石由来の電力を再生可能エネルギーに置き換えるなどの取り組みを促進。
自家発電については、デンソーが国内に保有する約150万平方メートルの工場屋根に太陽光パネルを敷設すると、現在の太陽光による自家発電量の約7倍の再生可能エネルギーを得ることができるとしている。
しかし、1981年以前の耐震基準で設計された工場屋根は、従来の太陽光発電システムの荷重に耐える基準を満たしていないことから、同社は京セラと協力し、既存の工場屋根にも設置可能な軽量太陽光発電システムの検討を進めてきたとのことだ。
システムの設計においては、同社が工場建屋の構造計算を一から見直し、追加の荷重が可能な場所とその荷重量などを明確化。そのデータをもとに、京セラが同社建屋の屋根材幅や鋼材ピッチに合わせ、最適な形で荷重を分散する構造の軽量太陽光発電システムを設計。
さらに、軽量型パネルで主流の接着工法ではなく金具による固定方式にすることで、パネル本体の交換を容易にし、メンテナンス効率を向上させたという。
同社は今回、2025年度からの国内工場への本格的な展開に向け、開発した軽量太陽光発電システムを西尾製作所404工場の屋根（約360平方メートル）に設置し、長期信頼性や発電量最大化を実現するためのシステム設計の検証を実施。
そして、将来的には国内・海外のグループ会社への展開も検討するとしている。
同社は、カーボンニュートラルに向けた取り組みを広く産業界へ発信し続け、持続可能な社会の実現に貢献していくとのことだ。