ゼンリンは、ヤマト運輸協力のもと、複数の物流事業者の荷物を地域の配送を担う事業者がまとめて配送する新たな物流モデル「共同配送」の実現に向け、各社の荷物の配送状況を一括管理する「共同配送システム」を開発したと発表した。
同システムは、埼玉県秩父市において、ヤマト運輸、西濃運輸、福山通運の3社の荷物を集約し、地域の事業者が個人宅などの配送先まで配送するサービス「おむす便」で実運用を開始したという。
■「共同配送システム」概要
・地域の配送を担う事業者は専用の端末を操作して、荷物に貼付された配達伝票のバーコードをスキャンし各種情報をシステムに登録。
・情報はクラウドを通して共有され、物流事業者各社はブラウザ上で荷物の状況を確認可能。
・導入にあたり既存の基幹システムの改修は不要で、新たな配達管理システムとして利用できる。
【システム利用の流れ】(以下「登録」は全て、伝票バーコードのスキャンにより完了)
ゼンリンは埼玉県秩父市において、山間地域における生活インフラの維持を目的とした実証実験を2019年より実施しており、2022年9月には、複数の物流事業者の荷物をヤマト運輸が配達する形で「共同配送」のプレサービスを実施。
プレサービスの結果、「荷物の配送管理システムが各物流事業者で異なる為、日々の配達状況の管理や配達結果をアナログで管理しなければならず、荷物を管理する各物流事業者や、配送を担当する地元事業者の業務負担が増加する」という課題が判明したという。
同課題の解決に向け、ゼンリンはヤマト運輸と連携し、パナソニック コネクトの「配送見える化ソリューション」をカスタマイズし、各社の荷物の配送状況を一括管理できる「共同配送システム」を開発。
ゼンリンはヤマト運輸と連携し、共同配送サービスおよび「共同配送システム」の水平展開を目指していくとしている。