エステーは、日用品メーカー13社(牛乳石鹸共進社/サンスター/デンタルプロ/日本香堂/ユニ・チャーム/ユニリーバ・ジャパン・カスタマーマーケティング/ライオン他)と共同で、製品供給および物流に関わる社会課題に協働して取り組むことを目的に「日用品サプライチェーン協議会」を設立したことを発表した。
人口減少や高齢化を背景とした物流の労働力不足に加え、昨今のエネルギー費、人件費の急激な上昇は、日用品業界においても物流に大きな影響を与えており、従来のオペレーション費用を維持することが難しくなるだけでなく、日々の物流を継続することさえも困難になりつつあるという。
これらの課題に対して、各社の企業努力に加えて、日用品メーカー各社が連携して取り組むことが不可欠であると考え、日用品メーカー14社は「日用品サプライチェーン協議会」を設立。
流通や物流事業者等と連携・協力し、持続可能で生産性の高い日用品サプライチェーンの実現に向けた取り組みを通じて、生活必需品の安定した供給責任を果たすとともに、製品供給および物流に関わる社会課題の解決に貢献するとしている。
さらに、業界における円滑な物流データ共有を推進するため、プラネットのロジスティクスEDI(※1)基盤を活用し、行政によるフィジカルインターネット(※2)の実現に向けた取組みと連動するとともに、隣接業界との連携においても日用品業界の窓口としての役割を担うとのことだ。
同社は、今後さらなる業界の効率化と発展を目指し、日用品卸流通業界全体として、卸売業・物流事業者と連携して物流効率化を推進するとしている。
■主な事業内容
(1)日用品サプライチェーンにおける業界課題および社会課題の解決に関する事業
行政施策等との連動、卸売業等の関連業界団体との連携
(2)日用品サプライチェーンにおける物流業務の標準化および効率化に関する事業
・ASN(※3)活用による伝票レス、検品レスの標準業務モデルの検討および実装
・物流データ連携による輸配送車両の活用効率化、積載効率化の検討
・外装表示・パレットユニットロードに関するガイドラインの策定・更新
(3)日用品サプライチェーンにおける物流情報システムの標準化と提言、普及推進に関する事業
・物流情報データベースの構築やデータ解析に関するシステム開発等の検討
・ロジスティクスEDIの普及および外部物流情報基盤との連携に関する検討
(※1)日用品業界におけるメーカー、卸売業間の物流標準EDI(Electronic Data Interchange)。
(※2)インターネット通信の考え方を、物流(フィジカル)に適用した新しい物流の仕組みであり、規格化された容器に詰められた荷物を複数企業の物流資産(倉庫・トラック等)をシェアしたネットワークで輸送するという共同輸配送システム。
(※3)Advanced Shipping Noticeの略語。出荷元コードや届け先コード、発注番号、商品コード、納品数量等、発荷主から着荷主へ向けた事前出荷情報。