ライオン、「歯みがき」が自律神経に影響を与えることを確認 5分のブラッシングで心理状態が前向きに変化

ライオンは、歯みがき行動がむし歯を予防するだけではなく、自律神経に影響し気持ちのリフレッシュに繋がるという研究結果を発表した。

口腔は、髪の毛1本でも異物と感じるように、感覚が非常に鋭敏な部位の一つ。また、大脳皮質の中で感覚をつかさどる領域の約30%が、口腔の感覚に関わっているとも言われており、近年では食物を噛むことや歯茎への触覚刺激が、自律神経に影響することが示唆されているという。

これを受け同社は、口腔内への触覚刺激を生じさせる動作である「歯みがき(ブラッシング)行動」も、自律神経に影響を与え、心身を調節する可能性があるのではないかと考察。そしてブラッシングによる触覚刺激が自律神経活動および心理状態に与える影響を検証したとのことだ。

仮説の概略図(ブラッシングによる触覚刺激が自律神経および心理状態に与える影響)

■研究方法

20~40歳代の成人20名(男性9名、女性11名)を対象とし、ハミガキをつけずに5分間ブラッシングした際の自律神経と心理状態(気分)に与える影響を、ブラッシング前後で比較。

自律神経活動の指標としてウェアラブル心拍センサーを用いて、交感神経活動の指標であるLF/HF値を測定した。心理状態の指標は、TDMS-ST(二次元気分尺度:8項目の質問に回答し、安定度・活性度・快適度・覚醒度の4種類の心理状態を計測)を用いている。

■結果

<自律神経活動>
心拍測定の結果、ブラッシング前と比較して、ブラッシング後ではLF/HF値が有意に減少し(p<0.05)、交感神経活動が低減したことがわかった。

自律神経活動の測定結果

<心理状態>
TDMS-ST法による評価の結果、ブラッシング前と比較して、後では活性度、快適度、覚醒度が有意に増加(p<0.05)。ブラッシングによって活気があり、快適な心理状態へと変化したことが示された。

心理状態(TDMS-ST)の評価結果

以上の結果より同社は、歯みがき(ブラッシング)行動は自律神経活動を整え、前向きな心理状態へと変化させることから、心身をリフレッシュする効果があることが考えられたとしている。

なお、同研究結果については下記の通り発表されたとのことだ。

発表概要

<参考>
ライオン『歯みがき行動が自律神経に影響を与え、前向きな心理状態に変化させることを確認

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