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パナソニックは、新社会人を対象に「思い出の音楽と風景が心身に与える影響」の調査を実施し、結果を発表した。
思い出にひもづく音楽と風景(写真や動画)を視聴すると、心拍数が下がる結果となり、統計的な有意差が確認された。また、新生活に向けた不安が軽くなり前向きな気持ちを実感するなど、生理的にも主観的にもポジティブな傾向が見られたという。調査結果は以下となる。
“思い出の音楽や風景がもたらす影響”についての調査
今春新社会人になる63人を対象に、思い出の音楽や風景がもたらす影響について、心拍変動を測定して検証する調査を実施。
「思い出の音楽」と「思い出の風景」で、安静時と比較して心拍数が低下
思い出の音楽と風景によって、心を落ち着かせる反応も
①音楽を聴く前の安静時、②参加者の思い出にひもづく音楽を聴いたとき、③②に加え思い出の風景(写真や動画)を見たときの心電図を測定し、その平均を比較したところ、①→②→③で心拍数が下がる結果となり、統計的にも有意差が見られた。
参加者の心拍数が抑えられたのは、「思い出の音楽」と「思い出の風景」によって、心の落ち着きがもたらされたためと推測される。
「思い出の音楽」と「思い出の風景」を視聴すると、
「知らない音楽」を聴くよりも交感神経の活動が穏やかになるケースも
下図は参加者一人の心電図測定例であるが、「知らない音楽」を聴いたときよりも「思い出の音楽」を聴いたとき、また「思い出の風景」(写真や動画)を合わせて見たときの方が、交感神経の働きが穏やかになり、鎮静化している傾向にある。
“思い出の音楽や写真・動画がもたらす影響”についての調査
心拍変動の測定に加え、アンケート調査も実施。その結果、参加者の多くが、思い出の音楽やその思い出の風景を視聴することで、不安感が軽減し、ポジティブな気持ちを実感したことが分かったという。
思い出の音楽とその時の風景で、7割超が「癒やされる」、8割弱が「元気が出る」と回答
①音楽を聴く前の安静時、②知らない(思い出にひもづかない)音楽を聴いたとき、③参加者の思い出にひもづく音楽を聴いたとき、④③に加え思い出の風景(写真や動画)を見たとき、それぞれの気持ちを質問。
その結果、①→②→③→④の順で、「癒やされる」「元気が出る」と感じる割合が高くなる結果に。④で「癒やされる」と答えた人は①の約5倍(視聴前:14.3%、視聴後:71.0%)にもなり、思い出の音楽や風景は、参加者の感情にプラスの影響を与えたことがうかがえる。
新生活についても、思い出の音楽やその時の風景がその不安を軽減し、背中を押すと実感
①音楽を聴く前の安静時、②思い出の音楽聴取後、③②に加え思い出の風景(写真や動画)も見た後、それぞれにおいて「新生活に対する気持ち」を聞いたところ、①→②で、「ワクワク」「やる気が出る」が上昇。
また、①→②、①→③いずれも「不安」 「気が重い」が減少しており、さらに②よりも③で低くなる傾向が見られた。思い出の音楽は新社会人の気持ちを前向きにさせ、さらにその時の風景を見ることで、新生活への不安が和らぐ実感も高まることがうかがえる。
思い出の音楽や風景の視聴で自己肯定感もアップ 8割が「自分に自信を持てる」と回答
さらに、思い出の音楽や風景を視聴することで、自分の心持ちにどのような影響があったかという質問には、思い出の音楽を聴くと58.7%が「自己肯定感が高まる」、71.4%が「自分に自信を持てる」と回答。
また、思い出の風景を視聴すると、66.1%が「自己肯定感が高まる」、 80.6%が「自分に自信を持てる」と答えており、思い出の音楽は、新生活を控えた人に自信を持たせ、前向きにさせる傾向があり、さらに思い出の風景を見ると、相乗効果でさらに自己肯定感が高まると考えられる結果となった。
広島大学大学院人間社会科学研究科 岩永誠教授による考察
「思い出の音楽と風景で生まれる”懐かしい”感情が、人を癒やし、前向きにさせる」
●「懐かしさ」は、ポジティブな感情を喚起する。「思い出の音楽」がそのトリガーになる。
●思い出の音楽に「視覚情報」も加えることで、より「懐かしさ」を引き出しポジティブな気持ちに。
●「懐かしい」感情をより引き出すために、「思い出の時期」にこだわることも重要。
●生活環境の変化はストレスの要因に 思い出の音楽と風景の力で、春疲れや大型連休明けの対策を。
■「“思い出の音楽や風景が心身にもたらす影響”についての調査」概要
・調査概要:「思い出の音楽」および「思い出の風景」(写真や動画)を視聴することによる心身への影響を、自律神経活動の測定およびアンケートを用いて検証。
・測定機材:クロスウェルが開発・提供する血圧・心拍変動解析ソフト「Reflex名人」を用いて、心拍変動の変化から自律神経の活動を測定。
「Reflex名人」:心拍(心拍数・瞬時心拍数)・CVRR(自律神経活動)・ccvHF(副交感神経活動)・L/H(交感神経活動)がリアルタイムで測定できるソフト。
・調査対象:2024年4月に新社会人になる予定がある男女63人
※心拍変動結果は、データ欠損のない60人分の心電図を基に解析。
・実施時期:2024年3月23日・3月24日
・実施内容:調査中、心拍変動を継続的に測定し、①参加者が知らない(思い出にひもづかない)音楽聴取時、②参加者の思い出にひもづく音楽聴取時、③思い出の音楽+風景(写真や動画)視聴時について、心拍や自律神経活動への影響を下記2パターンにて計測。また測定前後と①②③視聴後に、「今の気持ち」「音楽視聴時の気持ち」「新生活への意識」「実験を通じて実感した効果」などについて、アンケートにて聴取。
<引用元>パナソニック調べ