育休取得、男女の意識差が随所に 取得日数は男性の約半数が「1カ月未満」に対し女性は「半年以上」が8割強

マイナビが運営する総合転職情報サイト「マイナビ転職」は、子どもがいる正社員800名を対象に「育休に対する男女の意識差と実態調査(2024)」を実施し、結果を公表した。

育休に対する男女の意識差と実態調査(2024)

■「育児退職」を経験した子どもがいる女性は5人に1人、男性も4割弱が退職を経験・検討

子どもがいる女性のうち、育児との兼ね合いで退職する「育児退職」を経験した人は19.3%となり、5人に1人の割合となった。

また、「育児退職」を検討したことがある人は24.3%となり、合わせて約4割強が育児を理由に退職を経験・検討したことがあると判明。

育休経験のある男性でも39.5%と4割弱の人が退職を経験・検討しており、男女問わず育児と仕事の両立の難しさがうかがえる結果となっている。

育児との兼ね合いで退職を経験・検討したことがあるか

この結果に同社は、今後企業は離職防止という観点で、育児をしながら働きやすい職場環境を整えることが求められている。

■男性の育休取得日数は「1カ月未満」が半数、「2週間未満」は約3割。一方、女性は「半年以上」が8割強となり、取得日数に大きな差

男性の育休取得日数は、「1カ月未満」の人が半数。内訳をみると「5日以内」は18.5%、「6日~2週間未満」は14.5%で、取得日数が2週間未満の人が33.0%となっている。

一方、女性の取得日数は「半年以上」が85.0%にのぼり、男女の取得期間には大きな差が生じた。

育休取得日数

■育休のハードルとして最も回答が多かったのは「収入減少」。世帯年収「800万以上」から育休取得率は7割を超える

育休取得のハードルとして最も回答が多かったのは「収入減少」で19.4%となった。

育休取得のハードル

世帯年収別に育休取得率をみると、「800万円以上」から取得率は7割を超え、世帯年収が高いほど育休取得のハードルが下がりやすいと同社は考察している。

世帯年収別に育休取得率

一方で、育休取得者のうち26.3%が「育休中も給付金があり、収入がゼロになるわけではない」と知ったことが、育休取得のきっかけになっていることがわかった。

育休取得のきっかけ

給付金や助成制度の周知は、収入面がハードルになっている人にとって育休の取得がしやすい社会の醸成へ一定の効果があることがうかがえる。

■パートナーの育休満足度、男性からみた妻は平均82.7点、女性からみた夫は平均58.4点。満足度の高い人の理由は「二人で協力して育児ができたこと」や「取得期間の長さ」

パートナーの育休への満足度を100点満点で表すと、男性からみた妻の点数は平均82.7点、女性からみた夫の点数は平均58.4点で、男性からみた妻の点数が大きく上回った。

育休への満足度

女性からみた夫の点数が高い人の理由は「率先して育児・家事をやってくれている」「役所の手続きをやってくれた」、男性からみた妻の点数が高い理由は「しっかり育休をとれて子どもの面倒をみてくれたから」など、二人で協力して育児をできたことや育休取得期間の長さに関することがあげられた。

一方で、点数が低い理由として、女性は「夫の食事まで作らねばならずかえって負担だった」「育休取得期間の短さ」などがあげられ、男性では「自分がやることが多い」や、女性と同じく「取得期間が短い」といった回答がみられる結果に。

パートナーの育休満足度

育休期間の長さやその過ごし方、家事分担については事前に話し合うなど、協力して育児を行うことが、お互いの満足度につながると考えられる。

<参考>
マイナビ転職『「育休に対する男女の意識差と実態調査(2024)」

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