Hondaは、将来的なSDV(ソフトウェア・デファインド・ビークル)の実現に向けて、処理能力や消費電力、半導体設計の複雑化などの課題を解決するため、IBMと次世代半導体・ソフトウェア技術の長期的な共同研究開発に関する覚書を締結したことを発表した。
2030年以降、社会全体で知能化/AI技術の活用が大きく加速し、モビリティにおいてもこれらを用いたSDVが主流になると見込まれているという。SDVでは従来のモビリティに比べて、求められる処理能力やそれに伴う消費電力の飛躍的な高まりに加え、半導体設計の複雑化が予測されているとのことだ。
両社はこれらの課題を解決し、競争力の高いSDVを実現するために、次世代の半導体やソフトウェア技術を自ら研究・開発する力を手に入れることが重要であるとの認識に基づき、覚書の締結に至ったとしている。
今回の覚書では共同研究の可能性のある領域が示されており、具体的には、処理能力の飛躍的な向上と消費電力低減の両立を目指し、ブレインインスパイアードコンピューティング(※)やチップレットなどの半導体技術の共同研究開発を検討。
ソフトウェア技術については、ハードウェアとの協調最適化による製品の高性能化や、開発期間の短縮化を目指すとしている。
さらに、複雑化する半導体設計を適切に管理するためのオープンで柔軟なソフトウェアソリューションを検討していくとのことだ。
両社は、同協業を通じて、世界最高レベルの処理速度と省電力性能を備えたSDVの実現を目指すという。
(※)脳の構造と機能を模倣し、半導体チップに最適化されたコンピューターアーキテクチャとアルゴリズム。