日産自動車は、2023年度通期および第4四半期決算を発表した。

2023年度通期の営業利益は、前年比51%増となる5,687億円に。自動車事業のフリーキャッシュフローは3,230億円、同営業利益は2,600億円を確保。2024年度は、営業利益6,000億円と年間配当1株当たり25円以上見込みとしている。

日産自動車、2023年度決算を発表

2023年度財務実績

同社はこれまで「Nissan NEXT」の主要な取り組みを着実に実行し、事業基盤を強化してきた。「Nissan NEXT」の最終年度となる2023年度は、引き続き厳しいビジネス環境となったが、各市場において販売の質を継続的に向上させたという。

一方で、多くの市場における競争の激化により、グローバルの販売台数は344万台に留まる結果に。

2023年度通期の連結売上高は12兆6,857億円、連結営業利益は5,687億円、売上高営業利益率は4.5%。この営業利益には、物流や能登半島地震の影響、インフレなどによるサプライヤーの負荷を軽減する取り組みなども含まれているとのことだ。

当期純利益は4,266億円、自動車事業のフリーキャッシュフローと同営業利益はそれぞれ通期で黒字を確保し、同事業のネットキャッシュは1兆5,460億円に。

なお、4月19日の業績予想の修正に対して営業利益と当期純利益が増加しているのは、過去に計上していた訴訟関連費用を戻し入れたことによるとしている。

2023年度の期末配当は、1株当たり15円の支払いを株主総会に提案する予定とのことだ。

(東京証券取引所届出)
中国合弁会社に持分法を適用
2022年度通期2023年度通期増減
(対前年)
売上高10兆5,967 億円12兆6,857億円+2兆890億円
営業利益3,771億円5,687億円+1,916億円
売上高営業利益率 %3.6%4.5%+0.9ポイント
経常利益5,154億円7,022億円+1,867億円
当期純利益2,219億円4,266億円+2,047億円
2023年度通期の平均レートは、1USドル145円および1ユーロ157円を使用。

中国合弁会社を比例連結した会計基準では、2023年度通期の連結営業利益は5,700億円、売上高営業利益率は4.2%となり、当期純利益は4,266億円に。

2023年度第4四半期3か月財務実績

2023年度第4四半期3か月は、連結売上高3兆5,143億円、連結営業利益903億円、売上高営業利益率2.6%、当期純利益1,013億円に。

(東京証券取引所届出)
中国合弁会社に持分法を適用
2022年度
第4四半期
3か月
2023年度
第4四半期
3か月
増減
(対前年)
売上高3兆970億円3兆5,143億円+4,173億円
営業利益874億円903億円+29億円
当期純利益1,069億円1,013億円-56億円
2023年度第4四半期3か月の平均レートは、1USドル149円および1ユーロ161円を使用。

2024年度の業績見通しについて

同社は、2024年度も引き続き、競争の激化やインフレ圧力などから、厳しいビジネス環境が続くと想定。

しかし、新経営計画「The Arc」に基づき、商品魅力と競争力の高い新車を投入することにより、目標の達成に向けて着実な成長を目指すとのことだ。

また、中国の合弁会社に持分法を適用した2024年度通期予想は、下記の通り、東京証券取引所に届け出たという。

東京証券取引所届出値 – 中国合弁会社持分法ベース
2024年度連結決算予想
 売上高:13兆6,000億円
 営業利益:6,000億円
 当期純利益:3,800億円

年間配当について(1株当たり)
2023年度:20円
2024年度(見通し):25円以上