全日本空輸(ANA)、日本航空(JAL)、成田国際空港(NAA)、日本電気(NEC)は、顔認証技術を活用した搭乗手続き「Face Express」の利用登録を、旅客自身のスマートフォンで行うモバイルアプリの実証実験を、3月25日から28日まで成田空港で実施したと発表した。

モバイルアプリ画面

同モバイルアプリを利用すると、従来空港内の端末で行っていた「Face Express」の利用登録を、オンラインチェックインと合わせて自身のスマートフォンでどこでも行うことができるという。

2021年から成田空港で導入している「Face Express」は、NECの認証精度を有する顔認証技術を活用している。チェックインなど空港での最初の手続きの際にパスポート・搭乗券・顔写真情報を登録すると、従来必要であった搭乗券やパスポートを提示することなくその後の搭乗手続き(手荷物預け、保安検査場入場、搭乗ゲート通過)に進むことができる。

利用の流れ

今回の実証実験により、モバイルアプリが空港内での利便性と「Face Express」の利用率向上に貢献することが確認されたほか、「Face Express」の利用により、空港での手続きにおける所要時間を大幅に短縮できることも確認されたという。

今回の実証実験の結果を踏まえ、モバイルアプリの実用化に向けた改善や検討を進めるとともに、「Face Express」のさらなる利用拡大を図っていくとしている。

■実証実験の概要

実施期間:2024年3月25日~28日
参加人数:約150人(4社および関係者など)
実証内容:
参加者がモバイルアプリで「Face Express」の利用登録を行い、搭乗手続き(手荷物預け、保安検査場入場、搭乗ゲート通過など)を体験
実証結果:
・参加者の98%が「モバイルアプリは有用であり、利用したい」と回答。
・従来の「Face Express」を使用しない場合の手続きと比較すると、所要時間が大幅に短縮。チェックイン機での手続き時間は約半減、手荷物預けは約2/3に短縮。
・一方、ユーザーインターフェースやアプリ誘導方法などの課題も確認。

成田空港における実証実験の様子