建設業の2024年問題、4月開始の「残業時間の上限規制」で残業時間は減少傾向 一方、「デジタル化の遅れ」「低賃金」は継続課題に

インフォマートは、建設業に従事している20代から60代の会社員328名に、4月開始の「残業上限規制」や日々の業務に関する調査を実施し、その結果を公表した。

■各種書類(発注書・契約書・請求書・図面等)の受け渡し方法、昨年調査時から「紙」が減少するも、「Excelやスプレッドシート」が増加傾向に

各種書類(発注書・契約書・請求書・図面等)の受け渡し方法について聞いたところ、2割~3割が「紙で行っている」と回答。

2023年の調査では3割〜4割弱であったことから、紙での受け渡しは減少傾向で、ペーパーレス化が進んでいることが分かった。その一方、2023年と比較して「Excelやスプレッドシート」が増加傾向に。

各種書類(発注書・契約書・請求書・図面等)の受け渡し方法

■3割以上が「各種書類データのシステムへの転記」に1日1時間以上を費やす

各種業務にかけている1日あたりの時間を聞いたところ、34.8%が「各種書類(発注書・契約書・請求書)データのシステムへの転記」に1時間以上かけている結果となり、2023年の30.7%と比較して、増加していることが分かった。

各種業務にかけている1日あたりの時間

■4月開始の「残業上限規制」、約半数の企業が取り組みを強化

4月開始の「働き方改革関連法」の1つである「残業時間の上限規制」について、勤め先での取り組み状況を聞いたところ、47%が「しっかりと取り組めている」「取り組めている」と回答し、2023年の42.6%と比較すると、やや増加する結果に。

「残業時間の上限規制」について、勤め先での取り組み状況

■平均的な残業時間は減少傾向で、約6割が10時間未満に

1カ月の平均的な残業時間を聞いたところ、58.2%が「10時間未満」と回答。「10時間未満」と回答した割合は、2023年調査時の52.8%よりも増加しており、ペーパーレス化やその他の業務の電子化が促進され、残業時間も減少傾向にあると伺える。

1カ月の平均的な残業時間

■建設業の働き方改革は進むものの、「デジタル化の遅れ」「低賃金」「高齢化」は継続課題

勤め先の課題について聞いたところ、「勤務時間が長い」「休日が少ない」という回答が2023年の調査時よりも減少しており、昨年と比べて働き方改革が進んでいることが伺える。

一方で、「デジタル化が遅れている」は23.2%、「仕事が大変な割に、給料が低い」は22.6%、「高齢化が進み、人材育成がうまくいかない」は20.4%となり、昨年と同様に上位を占める結果に。

勤め先の課題

【調査概要】
調査対象:現在「建設業」に従事している20代から60代の会社員
調査方法:インターネット調査
調査期間:2024年2月23日~2月27日
回答者:328名

<参考>インフォマート『「残業上限規制」や日々の業務に関する調査

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