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ダイキンは、「ダイキン 空気のお悩み調査隊」の活動において、エアコンの効果的な節電方法と具体的な節電効果を検証し、結果を公表した。
今回同社は、節電方法として誤解されやすい4つのケースのほかに、蒸し暑い夏の睡眠時、エアコンの使い方として迷いがちな「切タイマー運転」と「つけっぱなし運転」についても、暑さ指数「WBGT」の観点から検証したとのことだ。
検証1:エアコン冷房の風量設定は「弱」と「自動」ではどちらが節電?
エアコン冷房の風量設定「弱」と「自動」それぞれで、日中11時間(8:00~19:00)つけっぱなしにして消費電力量を計測し、1ヵ月あたりの電気料金の違いを調査。
エアコン冷房の風量「弱」と風量「自動」の消費電力量を比較した結果、風量「弱」が3.85kWh、「自動」が2.79kWhとなり、風量「自動」の方が消費電力量が約3割少ないという結果となった。
1か月換算では、風量「自動」は「水平」と比べて電気代が約990円少なくなるとのことだ。
このような結果になる理由は、風量「弱」にすると、室内機の中にある冷たくなった熱交換器を通過する空気の量が減り、部屋の中を涼しくするのに時間がかかるからだという。
そのため、風量「自動」に比べて風量「弱」の方が圧縮機の運転にかかる負荷が増加し、より多くの電気を使ってしまうことになるとしている。
検証2:エアコン冷房の風向設定は「ななめ下」と「水平」ではどちらが節電?
エアコン冷房の風向設定では、「ななめ下」と「水平」それぞれで日中11時間(8:00~19:00)つけっぱなしにして消費電力量を計測し、1ヵ月あたりの電気料金の違いを調査。
その結果、エアコンの冷房運転時の風向「ななめ下」と「水平」の消費電力量を比較では、「ななめ下」が3.76kWh、「水平」が2.77kWhとなり、風向「水平」の方が消費電力量が約3割少なくなった。1か月換算では風向「水平」は「ななめ下」と比べて電気代が約930円少なくなるという。
この理由は、冷たい空気は重く、床付近にたまる性質があるからだという。
風向を「ななめ下」にすると床付近に冷たい空気がたまる一方で、天井付近には暖気がたまる。一般的なエアコンは、高い位置にある室内機内部の温度センサーで室温を判断するが、天井に暖気がたまっていると床付近が十分涼しくなっていても、エアコンはさらに部屋を涼しくしようと必要以上に運転する。
風向を「水平」にすると、冷たい風が天井付近から床方向に自然に下りていくため、余計な電力消費を抑えながら、部屋全体を涼しくすることができるとのことだ。
検証3:設定温度を「1℃下げる」のと、風量設定を「強」にするのとでは、どちらが節電?
エアコン冷房を使っていても暑く感じることがある真夏の日中(13時~15時)、設定温度を1℃下げるのと、風量設定を「強」にするのとではどちらが節電になるのか、消費電力量を計測し電気料金の違いを調査。
設定温度を1℃下げた場合と風量を「強」にした場合の消費電力量を比較した結果、設定温度を「1℃下げる」と1.13kWh、風量「強」にすると0.52kWhとなり、風量「強」は、設定温度を「1℃下げる」場合と比べて消費電力量が約半分になることがわかった。
設定温度を下げたとき、エアコンは室内の空気中からより多くの熱を集めるため、圧縮機の運転を強める。風量を「強」にすると室内機のファンの音が大きくなり、電気をたくさん使っているように感じるが、ファンが使う電力は圧縮機が消費する電力と比べるとわずかだという。
人の体感温度は室温だけでなく、湿度や気流によっても変化。室温を下げる代わりに風量を強くすることで体感温度が下がり涼しく感じられるとのことだ。
検証4:SNSで話題の室外機に濡れタオルは、「あり」と「なし」でどちらが節電?
近年SNSで話題となっている、エアコンの室外機の上に濡れタオルを設置すると節電になるという噂を検証。室外機の上の濡れタオル「あり」と「なし」それぞれで、日中11時間(8:00~19:00)つけっぱなしにして消費電力量を計測し、1カ月あたりの電気料金の違いを調査したとのことだ。
検証の結果、消費電力量は濡れタオル「あり」が3.87kWh、「なし」が2.77kWhとなり、濡れタオル「なし」は消費電力量が約3割少なくなり、1カ月換算では、濡れタオル「なし」は「あり」と比べて電気代が約1,020円少なくなった。
検証5:夏の睡眠時のエアコンは、「切タイマー運転」と「つけっぱなし運転」暑さ指数「WBGT」の観点からどちらがおすすめ?
最後に、夏場の睡眠時にエアコンを使う際のおすすめは「切タイマー運転」(就寝後3時間でエアコンOFF)か、朝まで「つけっぱなし運転」か暑さ指数「WBGT」の観点から調査。
同調査では、つけっぱなし運転の場合、睡眠時の暑さ指数(WBGT)は一般的に危険性が少ないと言われる23℃ほどに抑えられる結果となり、タイマー運転の場合の暑さ指数(WBGT)は、明け方には熱中症への警戒が必要とされる25℃近くにまで達したという。
夜間の温度上昇は、夜中の目覚め、睡眠の質の低下にもつながる可能性もあることから注意が必要となる。気温や湿度が高い日は、朝まで「つけっぱなし」運転の方が快適といえる結果となった。
<参考>
ダイキン『エアコンの効果的な節電方法と具体的な節電効果』