ブリヂストンの社内ベンチャーであるブリヂストンソフトロボティクスベンチャーズとクリエイター集団Konelは、ゴム人工筋肉を用いたロボット「Morph」(モーフ)を核に置いた、無目的室「Morph inn」(モーフイン)を、5月17日から25日まで東京都表参道の「seeen」に設置すると発表した。
■ゴム人工筋肉を活用したソフトロボティクスとは
ソフトロボティクスは、従来よりも柔軟性のある素材と、高度な制御システムを掛け合わせ、繊細かつしなやかな動きの実現を目指す事業。
タイヤ・ゴム業界におけるリーディングカンパニーであるブリヂストンは、社内スタートアップであるソフトロボティクスベンチャーズを創業。
タイヤ等の開発・生産ノウハウを活用したゴム人工筋肉を用いて、ヒトとロボットの協働する未来の実現に向け、幅広いパートナーとの共創をベースにソフトロボティクスの社会実装を目指しているという。
今回、先端技術を用いた「可能性の創造」を追求するクリエイター集団のKonelが同事業に共感し、共創が決定。
同共創では、ソフトロボティクスが拡張するためには、人とロボットが互いを信頼し委ね合う体験が必要と仮設を立て、その未来の具現化を試みるとしている。同プロジェクトを通じ、社会への「ソフトロボティクス」という新しい選択肢の提案を加速させるとのことだ。
■Morphとは
「Morph」は、ブリヂストンのゴム人工筋肉を搭載した柔らかいロボット。自然界や動物のモーションをセンシングしたデータがインストールされており、映像から動きの特徴点を抽出し、ゴム人工筋肉を制御する形式にデータを変換する独自開発したシステムが組み込まれているという。
ゴム人工筋肉は、チューブとスリーブの2層構造となっており、生物の胎動や呼吸、潮の満ち引きのような自然界のデータをもとに有機的に動作するとのことだ。生のデータとゴム人工筋肉によって表現される動きは、生物とも、機械とも異なる「Morph」ならではの息遣いを生み出すという。
コミュニケーションをとることもなく、また人に合わせて制御されることもない、ただ生物的に動作する仕組みだからこそ、気を遣うことも、期待や目的を持つこともなく共存できるのが「Morph」の特徴だとしている。
■体験型イベント「Morph inn」について
「Morph inn」は、柔らかいロボットに心身を委ねる試験的な体験型イベント。同イベントのメイン会場には「Morph」を設置するという。
「Morph」によって体験者とロボットがお互いを委ね合い、普段は無意識に制御してしまう感情を開放する体験を提供することで、人とロボットの新たな関係性を提案し、ウェルビーイングなど新たな領域の探索ならびに価値創造に挑戦するとしている。
さらに同プロジェクトは、ソフトロボティクスのさらなる発展やその未来に関するオープンコミュニケーションを生み出し、新たな共創パートナーとの機会創出も目指しているという。
■「Morph inn」開催概要
会期:5月17日〜25日
開場時間:11:00~19:00
(14:00~15:00はメンテナンスのため閉場予定/「Morph」の体験は17:45まで)
場所:〒150-0001東京都渋谷区神宮前4丁目13-12seeen
体験予約:Morph inn予約フォームより
(「Morph」の体験は要予約/1Fへの入場のみの場合は予約不要)
●記念トークセッション「ソフトロボットが導く未来の輪郭」
オープニングを記念し、会期前日にロボティクス分野の挑戦者や有識者によるトークセッションをオンライン配信。
スピーカー:
・山口周氏(ライプニッツ代表取締役/独立研究者/著作家/パブリックスピーカー)
・山口真広氏(ブリヂストンソフトロボティクスベンチャーズ創業メンバー/主幹)
・安藤健氏(パナソニックHDロボティクス推進室室長)
モデレーター:
・出村光世氏(Konel/知財図鑑クリエイティブディレクター/CEO)