コーセーは、日やけと運動時の疲労に関する研究結果を発表した。

同社の研究によると、日やけにより運動時の高まることを血中の疲労マーカーの変化から確認できたという。また、屋外での運動時に日やけ止めを使用することで疲労感が軽減される可能性も確認したとのことだ。

■日やけと運動時の疲労の関係

まず、運動時の日やけと疲労の関係を明らかにするための試験を実施。試験に同意した健康な男女20名に、半そで半ズボンの日やけをしやすい服装で屋外にてエアロバイクを漕ぐ規則運動を120分間実施してもらったという(図2)。

なおこの際、紫外線保護メガネを着用してもらうことで目からの紫外線の影響は除外。さらに同様の試験を日の当たらない屋内でも実施したとのことだ。

試験の様子

疲労は、疲労学会「抗疲労臨床評価ガイドライン」に掲載されている2種の血中の疲労マーカーおよび疲労感のアンケートにて評価。

疲労マーカーとしては、疲労の一因である酸化ストレスを計るd-ROM(diacron reactive oxygen metabolite)および、疲労からの回復力の指標となる抗酸化力を示すBAP(biological antioxidant potential)を用いたとしている。

そして、それぞれの項目について運動前、運動直後、運動終了30分、60分、90分、120分、180分後に測定し、各測定時での疲労の変化について統計解析を実施。

その結果、d-ROM、BAPのどちらも屋外での数値が大きく、d-ROMでは運動終了30分後、BAPでは運動終了90分後において有意な差が得られたとのことだ。

運動時の疲労に対する日光の影響

このことから、目からの紫外線の影響を除外した環境でも、日やけにより運動時の疲労が高まることが確認されたとしている。

■日やけ止めの運動時の疲労軽減効果

次に日やけ止めによる疲労軽減効果を検証したという。

試験参加者全員に上記と同様に屋外にて、日やけ止め(雪肌精、スーパーウォータープルーフタイプ)を肌の露出部位すべてに塗布した場合、塗布していない場合両方の条件でエアロバイクでの運動を実施。

その結果、日やけ止めを使用した場合の疲労感は使用しなかった場合と比較して、運動終了直後から180分後まで有意に低くなることが確認できたとのことだ。

また、血中の疲労マーカーのBAPにおいて、日やけ止めを使用した方の数値が運動終了30分後に低くなる傾向も確認。これらについては、日やけ止めの新しい価値研究の糸口となるため、今後はさらに詳しい検討を行っていくとしている。

屋外運動時の日やけ止めの疲労軽減効果

同社は、同研究により、日やけは運動時の疲労を高めること、そして日やけ止めは美容目的での使用に加え、運動時の疲労軽減の面でも有用となる可能性が示されたとし、今後も独自の価値提案を実現する研究活動を推進していくとのことだ。