パナソニック エナジーは、車載用リチウムイオン電池の生産競争力強化を目的に、生産拠点である大阪市の住之江工場敷地内に、「住之江 生産プロセス開発棟」(以下、新棟)を設立したと発表した。
同社はEVの普及に向け、電池の性能向上や技術革新に取り組むと同時に、グローバルでの生産能力向上を進めているという。
新棟は鉄骨造4階建て、延床面積約7,900平方メートルで、これまでにない変化へ果敢にチャレンジする想いを込めて、外観は「イノベーティブを創出するシンボリックなデザイン」をコンセプトとなっている。
1階から3階にある実験エリアでは、次世代プロセスの量産化技術開発や工場向け大型量産設備の事前検証エリアを備え、3階と4階のオフィスフロアと合わせて、生産技術人財が約400人勤務予定。
2025年4月に大阪・西門真地区で竣工予定のセル開発の研究開発棟(以下、西門真 研究開発棟)とあわせて、約1,100人の人財が電池関連の研究開発に従事する予定で、国内最大規模の電池の研究開発体制となることを見込んでいるという。
また新棟はDX開発拠点としての役割も担うとし、パナソニック エナジー傘下全工場の電池をデータマネジメントする「データ解析プラットフォーム」や工場レイアウトを検討する際の「搬送シミュレーション」など情報を集約しデジタル化を進めていくとのことだ。
加えて、GX開発拠点として巻き取り技術や溶接技術開発による高効率設備の実装や乾式の新塗工技術を用いたエネルギー生産性の最適化検証も加速。また、西門真 研究開発棟とも連携した商品開発も今後推進の予定としている。
なお、車載用リチウムイオン電池を生産する住之江工場は環境と調和したモノづくりを目指しており、太陽光パネルの設置やオフサイトコーポレートPPA等、再生可能エネルギーを最大限活用しているという。
再生可能エネルギーにより発電された電気の環境価値を証書化した非化石証書と燃料をオフセットするJクレジットも活用し、2024年1月にCO2排出実質ゼロ工場を達成。今回の新棟の屋上にも太陽光パネルが設置されているとのことだ。