東京ガスと100%出資子会社の晴海エコエネルギーは、晴海地区全街区(※1)への水素供給事業を開始すると発表した。水素パイプラインによる住宅・商業施設向け水素供給は、国内初の取り組みとなる。
同事業は、2018年2月に東京都と締結した基本協定(※2)に基づき、東京ガスを代表企業とする民間企業6社を「事業者」(同事業の実施者)として整備を進めてきた「選手村地区エネルギー事業」のうち、街区向け水素供給に関するもの。
晴海エコエネルギーは、「選手村地区エネルギー事業」において、水素パイプラインと純水素型燃料電池の整備および住宅(マンション)や商業施設などの街区向け水素供給事業を担っている。
今回、水素パイプラインの敷設、純水素型燃料電池や水素用計量メーターの設置など、水素供給事業に必要な整備が全て完了したため、水素供給を開始するとのことだ。
東京ガスは、同事業において、水素のパイプライン供給などの知見を得ることで、日本政府が掲げる「2050年カーボンニュートラル社会の実現」を目指していくとしている。
■同事業の特色
・CO2フリー水素普及を見据えた、低炭素社会の先駆けとなる取り組み
・水素パイプラインによる住宅・商業施設向けの水素供給は、国内初の取り組み
・ガス事業法を適用した水素供給を行うのは国内初の取り組み
・都市ガス事業の経験とノウハウを生かした水素パイプラインの敷設と損傷防止策(※3)の実施
■同事業の設備概要
水素パイプライン
延長:約1.0km
口径:鋼管 直径約150mm
供給圧力:0.10MPa未満
水素流量:約150m3/h
純水素型燃料電池
設置規模
住宅街区:5kW×24台
商用街区:100kW×1台
電力利用先・排熱利用先
・各施設の共用部
・住民共用施設の「足湯」など
■同事業における水素パイプライン敷設図
(※1)晴海五丁目西地区第一種市街地再開発事業である「HARUMI FLAG」を指す
(※2)選手村地区エネルギー事業に係る基本協定の締結について(2018年2月28日発表)
(※3)埋設した水素パイプラインの上部に鉄板等を設置